幻想水滸伝1 台詞集 第三章

グレッグミンスター

満月の夜空、ブラックが雲間を駆け空中庭園へ降り立つ。
フッチ
「ようし、ここで まってろよブラック。
 すぐもどるからな。」
フッチ、庭園を進んで行く。
フッチ
「これいじょういくと
 だれかに見つかりそうだな。」
あまり奥へは足を踏み入れず、庭園の花々を調べてまわる。
フッチ、竜の頭に似た薄紫色の花の前で呟く。
フッチ

「くそっ、こう多くちゃ
 どれが黒竜らんなのか、わかりゃしない。

 こいつが、リュウカンとかいうじいさんが
 言ってたのと 一番にてるけど。」

バルバロッサ
「そうだ、それが黒竜らんだ。」
フッチ
「だ、だれだ!」
バルバロッサ、フッチの元へ歩いて来る。
バルバロッサ
「おまえこそだれなのだ 少年。
 ここが、皇帝の庭と
 知らぬわけでもあるまい。」
フッチ
「あ、あなたは こ、こ、皇帝陛下。」
バルバロッサ
「眠れぬ夜に、風にあたりにきてみれば
 花どろぼうに 出くわすとはな。
 そのかっこう、竜騎士か?」
フッチ
「は、はい お、おれ いやぼくは
 竜洞騎士団、第9階フッチです。」
バルバロッサ
「見ならい竜騎士か・・・・・
 それで、ここに なんのようかね?」
フッチ

「こ、黒竜らんを、と、とりに来たんです。
 お、おねがいです。
 みのがしてください。

 こ、黒竜らんが ひつようなんです。
 みんなの竜を、竜の目をさまさせるために」

バルバロッサ

「竜・・・・・、
 そうか、またウィンディが・・・・・

 少年よ、はやくここを出ろ。」

フッチ、小さく飛び上がって反応。
フッチ
「えっ、み、みのがしてくれるんですか?」
バルバロッサ
「はやくしろ。わたしが
 やさしい気持ちでいられるあいだに
 ここを出るがいい。」
フッチ
「は、はい。」
フッチ、黒竜蘭を手に取りブラックの元へ引き返す。
フッチ

「ふーーーー、
 あ、あれは本当に
 皇帝陛下だったんだろうか?

 いや、あのはくりょくは ほんものだな。
 でも、それにしちゃぁ
 うわさとは ふんいきがちがったな。
 おれのことを見逃してくれたし・・

 まあ、黒竜らんも手に入ったことだし、
 いそいでもどろう。
 なあ ブラック。」

フッチ、ブラックの背に乗る。
飛び立とうとするブラックの前へ、ウィンディが姿を現す。
ウィンディ
「おや、まにあったようだね。」
フッチ
「だ、だれだ おまえは!
 黒竜らんなら もういただいたよ。
 じゃあね ばいばい!」
ブラック、翼を羽ばたかせ一声鳴き、飛び立つ。
ウィンディ
「口の悪い子だね。
 そういう子は おしおきをしなくちゃね。」
ウィンディの右手から雷電が迸る。
逃げ去るフッチとブラックへ雷が落ちる。
フッチ
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ブラック
「ぶぉぉぉぉぉんんんん」
ブラック、力なく急降下して行く。