幻想水滸伝2 台詞集 第一章

天山の峠

ハイランド王国軍ユニコーン少年兵部隊の少年らが夜営している。
ジョウイ、ラウド隊長のテントを出たあと見張りに話し掛ける。
ジョウイ、その後リオウの休むテントへと移動。
テントの中では仲間が二名既に就寝している。
リオウ、ベッドの横で着替えを済ませる。
丁度着替え終えたところへ、ジョウイがやって来る。
ジョウイ
「気がはやいな、リオウ。
 もう着がえたのかい?」
ジョウイ、リオウの元へ。
ジョウイ、服の裾を引っ張りながら
ジョウイ
「ぼくも同じだけどね。
 キャロの街にもどれると思ったら、
 軍服なんて、着てられないよ。」
ジョウイ、リオウから視線を外し横を向く。
ジョウイ、腰に手を当て瞼を閉じる。
ジョウイ

「なあ、リオウ・・・・
 ナナミも待ってるだろうね、
 きみが帰ってくるのを・・・・・

 ゲンカク師匠が亡くなってからは
 きみだけが、ただ一人の家族だから・・・・・
 戦いなんかなければ・・・・」

ジョウイ、気を取り直したように顔を上げリオウへと向き直る。
ジョウイ
「さあて・・・・
 そろそろベットにもぐりこもうか?
 それとも、夜風にでもあたりに行くかい?
 けっこう気持ちいいよ。」
リオウ
「すこし外に・・・」 ←
ジョウイ
「じゃあ、ぼくもつきあうよ」
リオウとジョウイ、キャンプ内を散策。
──東の森へと続く道
少年兵

「なぁ、リオウ
 キャロに帰ったら、おれ、おまえの姉さんに・・・

 あ、いや、その、なんでもないんだ。」

森から怪しげな人影が出て来る。
????
「あ!!」
怪しい人影、慌てて引き返して行く。
森へと入ろうとすると、ジョウイに止められる。
ジョウイ
「リオウ、あんまり遠くにいくと
 またラウド隊長におこられるよ。
 明日の朝にはキャロの街にもどれるんだから、
 あせらなくても大丈夫さ。」
──ラウド隊長のテント
リオウとジョウイがテントへ入ると、ラウドが気付き怒鳴る。
ラウド
「おまえら!!
 軍服はどうした!!!」
ジョウイ、慌てた様子できょろきょろと視線を彷徨わせる。
ジョウイ
「す、すいません・・・・・」
ラウド、ジョウイへと一歩前へ。
ラウド
「まぁ、今日のところはゆるしてやる。
 テントにもどって、さっさと寝ろよ。」
ジョウイ
「は、はい。」
ラウド2
「早く寝ろといっただろ。
 ほら、行った!行った!」
リオウとジョウイ、大人しくテントへ戻る。
ジョウイ
「さあて、そろそろ寝るとしようか。」
リオウ
「すこし外に・・・」 ←
ジョウイ
「そうかい?」
「もう寝るよ」 ←
ジョウイ

「そうだな、明日は朝一番で
 キャロにもどりたいからね。

 おやすみ、リオウ。」

二人、それぞれのベッドへ入り就寝。
「もう寝るよ」 ←
ジョウイ

「そうだな、明日は朝一番で
 キャロにもどりたいからね。

 おやすみ、リオウ。」

二人、それぞれのベッドへ入り向き合って就寝。
暗転。
皆が寝静まった頃、激しい剣戟の音が響いた。
少年兵
「敵襲だ!!!」
テントの中の少年兵ら、慌てて外へ飛び出して行く。
リオウとジョウイ、勢い良く起き上がりベッドを抜け出す。
リオウとジョウイ、向き合う。
ジョウイ

「敵襲?????
 そんな、都市同盟との休戦協定は・・・・・

 聞いたかいリオウ?
 とにかく、行ってみよう。」

リオウとジョウイがテントを出ると、キャンプは一面火に囲まれていた。
そこへラウドの声が掛かる。
ラウド
「リオウ!ジョウイ!」
ラウド、足早にリオウたちの元へ。
ジョウイ
「どうしたんですか、ラウド隊長?」
ラウド

「都市同盟のやつらの奇襲だ!!
 協定をやぶって攻めてきたんだ、
 きたないやつらめ!!!

 ここは、かこまれているらしい。
 おまえらは、東の森から
 山道を通って逃げるんだ!!
 はやくしろ!!」

ラウド、足早に去って行く。
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ
「逃げようリオウ。
 ここで死ぬわけにはいかないからね。
 ナナミが一人ぼっちになってしまう・・・」
リオウとジョウイ、命令どおり東の森へ駆け出す。
森の入り口へと差し掛かったところで、ジョウイがリオウを振り返る。
ジョウイ
「待ってくれリオウ・・・・」
リオウ
「どうしたんだい、ジョウイ?」 ←
ジョウイ
「おかしいと思わないかいリオウ?
 逃げるなら、必ずこの森を通らなくちゃいけない。
 敵もそれぐらいわかっているはず・・・・・」
「早く逃げようよ」 ←
ジョウイ、森の奥を見やり再びリオウへと向き直る。
ジョウイ
「待つんだ、リオウ。
 おかしいよ・・・・
 逃げるなら、必ずこの森を通らなくちゃいけない。
 敵もそれぐらいわかっているはず・・・・・」
ジョウイ
「敵はこの森で待ち伏せ
 しているのかもしれない。
 もどろう、リオウ。
 このことを、ラウド隊長に知らせないと・・・」
それでも強引に森へ入ろうとすると、ジョウイに止められる。
ジョウイ
「一度戻ろうリオウ、
 この森には伏兵がいるかもしれない。
 戻って、そのことを
 ラウド隊長に知らせないと・・・」
リオウとジョウイ、キャンプへと引き返す。
道中、少年兵らが倒れ伏している。
キャンプへ辿り着くと、人影が在るのに気付き身を隠す。
そこには数人の王国兵とラウド、そして皇子ルカ・ブライトの姿が在った。
ラウド
「すっかり手はず通りです、ルカ様。
 みな、何も知らずに森へと逃げ込みました。
 今ごろは、伏兵のえじきのはずです。」
ルカ、ラウドへと向き直る。
ルカ

「ははは!!!
 都市同盟の裏切りによって死んだ
 ぎせい者というわけだ。

 おれも剣をふるえばよかった。
 しばらく、あのクソジジイの
 相手ばかりだったからな。
 腕がなまってしかたがない。」

ラウド
「え・・・ええ、
 い、いえいえ、ルカ様が剣をふるっても
 ウチの兵どもでは、物足りないでしょう。」
ルカ、前へ向き直り一歩前へ。
ルカ

「ふん。
 まぁ少年兵どもだ、
 このていどの役に立てばじゅうぶんだな。

 しかし、休戦協定などとくだらぬことを・・・・・
 都市同盟ごとき、おそれる相手ではないことを
 証明してくれるわ!!!」

ラウド
「そうですとも、
 ルカ様のもと、ハイランド王国は
 大いなる栄光を手にいれることになります!!」
ジョウイ、後ずさる。
ジョウイ
「こ、これはいったい・・・・・」
リオウ、ジョウイへと向き直る。
リオウ
「逃げよう、ジョウイ」 ←
ジョウイ

「そうだな、リオウ。
 でも東へ行けばむざむざ殺される・・・
 残るは北のがけだけだ。

 あのがけを登れば
 なんとか助かるかもしれない。
 北へ逃げようリオウ!」

誤って東へ行くとジョウイに止められる。
ジョウイ
「東の森はだめだ。のこるは北しかない。
 がけをのぼれば助かるかもしれない。」
リオウとジョウイ、北を目指し駆け出す。
「隊長にたしかめようジョウイ」 ←
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ
「そうだなリオウ。」
ジョウイとリオウ、ラウドの元へ。
ラウドら、リオウたちに気付き向き直る。
ラウド
「き、きさまら
 なぜ東の森へ逃げなかったんだ!!」
ジョウイ、一歩前へ。
ジョウイ
「どういうことですかラウド隊長?
 説明してください。
 なぜぼくらを・・・
 それにその男はだれですか?」
ルカ、ゆっくりと歩み出る。
ルカ
「ほう、自分の国の皇子の
 顔も知らんとはな・・・・」
ジョウイ、後ずさる。
ラウド、一歩前へ。
ラウド
「は、早くこいつらを捕らえろ!!」
リオウとジョウイ、王国兵に囲まれる。
戦闘開始。
部下のまさかの敗北に焦るラウド。
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ
「逃げようリオウ。
 でも東へ行けばむざむざ殺されるだけだ。
 北へ行って、あのがけを登れば
 なんとか助かるかもしれない。」
リオウとジョウイ、北を目指し駆け出す。
引き返そうとした場合、ジョウイに止められる。
ジョウイ
「リオウ!早く逃げなきゃ!!」
──北の崖
リオウとジョウイ、息を整えながら向き合う。
ジョウイ
「はぁはぁはぁ・・・・
 だ、大丈夫かいリオウ、
 ケガはないか?
 し、しかしラウド隊長はなぜ・・・・」
ラウド
「それを知る必要はない。
 おまえらはここで死ぬんだ、
 都市同盟の奇襲によってな。
 それ以外の未来はないぞ。」
ラウド、兵士を引き連れやって来る。
ジョウイ、後ずさる。
ジョウイ
「た、隊長・・・」
ラウド
「おまえらは、良い兵士だったのに残念だ。
 かかれ!」
リオウとジョウイ、王国兵に囲まれる。
戦闘開始。
ラウド
「おのれぇ・・・・・
 じたばたと、しつこいやつらだ。
 そこで待ってろ!!!
 すぐにもどってくるからな!!!!!」
ラウド、援軍を求めて一時退却。
ジョウイ

「このままじゃいつかやられる・・・・・

 リオウ、他に方法はない。
 このたきにとび込もう。」

リオウ
「この急流じゃ、助からないよ」 ←
ジョウイ
「リオウ、逃げ道はない。
 隊長はぼくらを見逃すつもりはないんだ。」
リオウ
「この急流じゃ、助からないよ」 ←
「それしか方法がないな」
ジョウイ
「おまえは、そんなに
 おくびょうな奴じゃないだろ。」
リオウ
「この急流じゃ、助からないよ」 ←
「それしか方法がないな」
ジョウイ
「このままじゃ、いずれやられる。
 早く心を決めてくれ。
 ナナミを残して死ぬつもりかい?」
リオウ
「それしか方法がないな」
「この急流じゃ、助からないよ」 ←
ラウド、援軍を連れてリオウたちの元へ。
ラウド
「やつらを逃がすな。
 かかれ!!」
戦闘開始。
──以下ループ──
「それしか方法がないな」 ←
ジョウイ
「よし・・・・」
ジョウイ、岩を斬り付けリオウへと向き直る。
ジョウイ

「もし、ぼくらが生きのびて・・・・・
 でも・・・はなればなれになってしまったら・・・
 その時は、ここにもどってくることにしよう。

 そして・・・・・ここで、再会しよう。

 約束だ・・・・リオウ・・・」

リオウ
「わかった」 ←
リオウ、ジョウイに倣い交差させるように岩を斬り付ける。
ジョウイ
「行くよ、リオウ。」
「やめよう・・・二人いっしょに助かるんだ」 ←
ジョウイ
「じゃあ、これは
 二人がいっしょに助かるための、
 願いの印にしよう。」
ジョウイ、交差させるように再度岩を斬り付ける。
リオウとジョウイ、崖の端へ行き顔を見合わせ頷く。
そうして勢い良く滝下を目指し飛び降りる。
暗転。
──セピア色の回想ムービー