幻想水滸伝1 台詞集 第一章
グレッグミンスター2
- ──門前
- カナン
-
「ようし、おまえらは ここまででいい。
クレイズさまへは
おれさまが報告に行くおまえらは 家にもどって
ゆっくり休んでいいぞ。
ああ、おれさまは
なんてやさしいんだろう。」 - パーン
- 「ああ、ああ、やさしくて
なみだが出て来るよ。
あの野郎 てがらをひとりじめする気だ。」 - クレオ
-
「いいじゃないか パーン。
あの ていどのてがら、
いつでもたてられるよ。それよりも、わたしはつかれたわ
早く 家に戻って 休みたいけどね。」 - グレミオ
- 「ぼっちゃん。 ひさしぶりに
我が家に帰って来たんですから。
今日はごちそうにしますよ。」 - テッド
- 「やったぜ。
グレミオさんの料理は
ピカイチだからなぁ」 - カナン
- 「テッド。
おまえは おれさまと
いっしょに来るんだ」 - テッド
- 「ん? 何かな。」
- カナン
- 「なに、たいした事じゃない。
すぐにすむから
いっしょに来るんだ。」 - テッド
-
「わかりましたよ。
ティエル、さきに帰っててくれよ。
あとから 行くからさ。それから、 話すこともあるし・・」
- カナン
- 「いくぞ テッド」
- カナン、テッドを連れ立って城へ。
- ──マクドール邸
- パーン
- 「ふう ひさしぶりの 我が家だ。」
- グレミオ
- 「ぼっちゃん。
すぐに 食事のしたくをしますからね」 - 暗転。
- ──食事の間
- ティエル、クレオ、パーンが席に着いている。
- 雷鳴が轟き、雨音がする。
- パーン
-
「ふーーーーーーっ
食った、食ったぁ、ここのところ ほしにくばかり
だったからなぁ。
なんか ひさしぶりに
人間の食いものを 食った気がするぜ。」 - クレオ
- 「なに 言ってるんだい。
ハラさえふくらめば なんでもいいくせに」 - パーン
- 「まぁ そりゃそうだ。
ハハハハハハハハハハハ」 - グレミオ入室。
- グレミオ
- 「ぼっちゃん。
お茶が はいりましたよ。」 - ティエル、席を立ちそれぞれに話し掛ける。
- クレオ
- 「ぼっちゃん、
お父さまがいなくて
さびしくないですか。」 - ティエル
- 「そんなことはない」 ←
- クレオ
-
「そうですね。
ぼっちゃんは もう一人前に
なられましたからね。ぼっちゃんの りっぱな姿を
テオさまに見せて
あげたいですね。」
- 「ちょっと・・・さびしい」 ←
- クレオ
-
「そうですか。
母親がわりというワケにはいきませんが、
さびしいときには このクレオが・・・」
- 「クレオがいるから平気さ」 ←
- クレオ
-
「ぼっちゃん!!
どこで そんな言葉を
おぼえてきたんですか!パーン!
あんたかい!」
- クレオ2
- 「あめ、 よく降るねぇ。」
- パーン
-
「しかし ぼっちゃん、
気になりますね。いえ、どうも世間では、
帝国軍のひょうばんが
あまり良くないみたいですから。」 - クレオ
- 「そうだな。わたしたちが戦った
継承戦争のころから見れば
おちたもんだな。」 - グレミオ
- 「クレイズやカナンみたいな
奴らが のさばっているから、
ひょうばんがおちるんですよ。」 - パーン2
- 「いつまでクレイズのしたで
はたらくことに なるんだろう?」 - グレミオ
-
「おそいですね テッドくん。
用がすんだら すぐ来るって言ってたのに、シチューがさめてしまいますね。」
- ティエルが玄関へ行くと、テッドが倒れている。
- テッド
- 「う、ううう・・・・・・・」
- グレミオが二階から降りて来る。
- グレミオ
-
「ぼっちゃん、 こ、これは・・
クレオさーーん!!
パーンさーーーん!!
手をかしてくださーーい!」 - クレオ、パーンが二階から降りて来る。
- パーン
- 「テッドくん!
どうした、大丈夫か?」 - クレオ
- 「すごい血、それも この傷口は
ふつうのものじゃない。
魔法か?」 - グレミオ
- 「なにをしてるんですか。
まずは中に運ばないと、
ぼっちゃんも手をかしてください。」 - ティエル
- 「手をかす」 ←
- グレミオ
-
「いいですか、かたに手をかけて
せーーーーーの。」
- 「ほっとく」 ←
- グレミオ
- 「ぼっちゃん!
なにボーーっと
してるんですか!」 - クレオ
-
「こうふんするんじゃないよ。
親友がこんなことになったんだ。
どうようして あたりまえさ。わたしが てをかす。
ぼっちゃん ちょっとどいてください。」
- 暗転。
- ──クレオの部屋
- ベッドにテッドが寝かされている。
- 一同、ベッドの周りに。
- クレオ
-
「いったい なにが・・・
城からもどる道で強盗におそわれた、
そんなところか?それにしては 魔法のきずあと
というのはおかしいな。」 - パーン
- 「おっ 目をさましたぞ。」
- テッド
-
「う、う、
ん、
ティエル・・・こ・・ここは?
あいつらは・・?
近衛隊の・・やつらはまだきてないのか?た・・たすけてくれティエル。」
- グレミオ
-
「だいじょうぶですよ。
あんしんしてください。おちついたら、
あわてずに なにがあったか、
おしえてくれますか?」 - テッド
- 「グ・・グレミオさん・・・・、
・・実は・・・・・」 - 暗転。
- ──テッドの回想
- 城内の一室前で、カナンとテッドが待機。
- 部屋の中にはウィンディとクレイズの姿が。
- テッド
- 「はやくしてくれよ。
はらがへって
しょうがないんだ。」 - カナン
- 「だまって待ってろ。
いまクレイズさまがウィンディさまに
話を取り次いでいるんだ。」 - クレイズ、部屋の外へ出て来る。
- クレイズ
- 「ふん。
ようし、テッド。
わたしといっしょに来るんだ。」 - テッド
- 「はいはい」
- テッド、クレイズに連れられウィンディの前へ。
- クレイズ、入り口近くに待機。
- ウィンディ
-
「ひさしぶりね。 かわいい少年よ。
300年前と
とっとも 変わってないじゃないか。
うらやましいねぇ。」 - テッド、一歩引く。
- カナン、部屋へ入ってきてクレイズと共に入り口を塞ぐ。
- テッド
- 「おまえは!
あの時の 女魔法使い!」 - ウィンディ
-
「おや おぼえていてくれたのかい。
うれしいね。もちろんわたしは おまえのことを
忘れたことなどなかったけど。
さあ、その右手の紋章、
こんどこそ 渡してもらうよ。」 - テッド、さらに後ろへ下がる。
- テッド
- 「じょうだん言うな!
こいつは おまえにだけはわたさない!
おまえにわたすぐらいなら、 - テッド、さらに後ろへ下がる。
- ウィンディ
- 「なにをするつもりなの!」
- テッド、背を向け右腕を掲げる。
- テッド
- 「呪いの紋章“ソウルイーター”よ、
その力を示し・・・・」 - ウィンディ、一歩前へ。
- ウィンディ
- 「ばかなことはやめなさい。
こんな所で力を使ったら、
自分もただですまないわよ!」 - ソウルイーターの闇が広がる。
- ──回想終了
- テッド
- 「ティエル・・・・
た、たのむ・・・・・」 - パーン、ティエルの横へ。
- パーン
- 「おい、テッド。」
- グレミオ
- 「だめです。
また気を失ってしまいました。」 - パーン、皆に背を向ける。
- パーン
-
「どういうことだい。
どうやら 近衛隊に
追われているみたいだったが。まさかな・・・・」
- グレミオ、パーンに掴み掛かる。
- グレミオ
- 「テッド君が
何かしたって言うんですか!
そんなワケないじゃないですか!」 - パーン
- 「いや、わからんな。
クレオ、近衛隊にしらせたほうが
いいんじゃないか。」 - グレミオ、さらにパーンに掴み掛かる。
- グレミオ
-
「なぜです?
ぼっちゃんの親友が帝国に追われるような
マネをするはずがありませんよ!なんで近衛隊なんかに
知らせる必要があるんです?
それじゃあ まるで・・・」 - パーン
- 「しかし、もしもという事がある。
テオさまがいない時に、
ヘマをするわけにはいかない。」 - クレオ
- 「ふむ。まあ、
テッドくんが目をさますまで、
待とうじゃないか。」 - 暗転。
- パーンだけは部屋の外、扉の前に待機している。
- ティエル、それぞれに話し掛ける。
- グレミオ
- 「しんぱいしなくてもだいじょうぶですよ。
テッドくんが・・・・
なにか するわけないじゃないですか。」 - クレオ
- 「テッドくんが さっき言ってた
“ソウルイーター”という名前。
どこかで 聞いたことがあるような・・」 - ティエル、部屋を出てパーンに話し掛ける。
- パーン
-
「ぼっちゃん・・・・・
テッドくんの
ねつが下がらないようだし、
道具屋をたたきおこして、
くすりを買ってきます。」 - パーン、外へ。
- ティエル、部屋へと戻る。
- グレミオ
- 「あめ・・・
やみませんね。」 - クレオ
- 「いやなあめだな。
さむけがする」 - テッド
- 「う・・うううん・・・」
- クレオ
- 「気がついたみたいだね。」
- テッド
-
「ティエル・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
め・・・めいわく・・・・
かけちまった・・・みたいだな。」 - グレミオ
- 「そんなことよりも、
さっきの話は どういうことなんですか?
“ソウルイーター”というのは? - テッド
-
「ティエル・・・
一生のお願いだ・・・。お・・おれの・・たのみを・・
聞いて・・くれるか・・?」 - ティエル
- 「なんだい?テッド」
「いやだ」 ←- テッド
- 「そう言うなよ・・ ティエル・・
い・・一生のお願いだ・・・
聞いてくれ・・・」 - ティエル
- 「なんだい?テッド」
「いやだ」 ← - テッド
-
「わかったよ・・・
たしかに・・何回目の
“一生のお願い”か・・わからないからな。
でも、これが最後だ・・たのむ・・」 - ティエル
- 「なんだい?テッド」
「いやだ」 ← - テッド
- 「たのむよ・・ ティエル。
傷が・・いたむんだ・・・
あんまり・・じらさないでくれ・・・」 - ティエル
- 「なんだい?テッド」
「いやだ」 ← - テッド
- 「そう言うなよ・・ ティエル・・
い・・一生のお願いだ・・・
聞いてくれ・・・」 - ──以下ループ──
- テッド
- 「ティエル・・・
おれの・・右手の・・てぶくろを・・
は・・・はずしてくれ・・」 - ティエル、テッドの手袋を外す。
- グレミオ
- 「これは?」
- クレオ
- 「まさか、
27の真の紋章?」 - テッド
-
「そう・・これは27の真の紋章の一つ・・
“ソウルイーター”・・・
・・呪いの紋章・・こいつが全ての・・・はじまり・・
おれが宮廷魔術師・・
ウィンディに・・狙われたのも・・
・・こいつのせいさ・・・」 - グレミオ
- 「ウィンディさまが
そんなことを?」 - テッド
-
「も・・目的はわからないが・・
あの女魔法使いは・・・
この紋章を・・狙っている・・だからおれは・・300年の間・・
世界を・・ほうろうし・・
に・・・逃げつづける
・・はめになった・・・でも、こんなところで・・見つかるとは・・
・・清風山で・・紋章の力を使ったのが
失敗のもとさ・・」 - クレオ
- 「清風山のクィーンアントを
ふきとばしたのは この紋章の力か。」 - テッド
-
「ティエル・・・・・・・・
おれは・・この傷じゃ・・
・・あの女魔法使いから・・・
逃げきることは・・・
で・・・できないだろう・・・ゆ・・・友情にすがって・・
こんな事言うのは・・・
あ・・あつかましいこと・・・
かもしれないし・・・と・・・友に・・不幸を
・・もたらすと・・知っていて
そ・・・それをするのも・・
た・正しいことじゃ・・ない・・だけど・・・・でも・・・・
お、おれには おまえしかいないんだ!
“一生のお願い”だ!
この紋章を守ってくれ!こ・・この呪いの紋章を・・
ウィンディに・・渡すわけにはいかない。
だ、だから、おまえにたのむしかない・・
お願いだ、この紋章を受け取ってくれ・・」 - ティエル
- 「わかった 安心しろテッド」
「いやだ」 ←- テッド
- 「おまえ・・だけが・・
たよりなんだ・・」 - ティエル
- 「わかった 安心しろテッド」
「いやだ」 ← - テッド
- 「おれの・・300年の苦しみを・・
ムダにしないでくれ・・・」 - ティエル
- 「わかった 安心しろテッド」
「いやだ」 ← - テッド
-
「ティエル。
おれには・・友と・・よべるのは
おまえしかいないんだ・・・・た・・たのむ・・・・」
- テッド
- 「おまえ・・だけが・・
たよりなんだ・・」 - ──以下ループ──
- テッド
-
「す、すまない・・ティエル。
この紋章は・・おまえに・・
不幸を・・もたらすかもしれない・・
その時はおれを・・うらんでくれていい。でも・・ウィンディにだけは・・
そ・・それを・・わたさないでくれ。
右手を・・
ティエル・・・」 - ティエル、ベッドの側に膝を付く。
- 光が降りて来て紋章の継承が終わる。
- ティエル、立ち上がる。
- テッド
- 「これで・・・
おれも・・・
安心して・・」 - 玄関の方から大きな物音がする。
- グレミオ
- 「な、なんですか?」
- クレオ
- 「げんかんのほうだ。
ついてこい グレミオ」 - グレミオ
- 「は、はい」
- クレオ、グレミオを連れ立って玄関へ。
- ティエル、テッドに話し掛ける。
- テッド
-
「ティエル・・・
おれは300年の間・・一度もゆっくりと
ねむったことが・・なかった・・・これで、はじめて・・
ゆっくりと・・・・・・・
ねむれそうだよ・・・・・・・・・」 - テッド2
- 「・・・・・・・・・・・・・・」
- ティエル、玄関へ。
- クレイズ、パーンとカナンその他兵士を引き連れている。
- クレイズ
-
「ふん、
マクドール家のぼっちゃんも
いらっしゃいましたね。おとなしくテッドを
ひきわたしてもらいましょうか。
かれがここにいることは わかっています。帝国に忠実なパーン君が、
おしえてくれましたからね。」 - クレオ
- 「パーン! おまえ!」
- グレミオ、一歩前へ。
- グレミオ
- 「なぜです パーンさん!」
- パーン、背を向ける。
- パーン
-
「テオさまのいない時に なにかあれば、
テオさまに めいわくがかかる。おれには そんなマネはできない
テオさまの信用を
うらぎるようなマネは・・・
わかってくれ。」 - クレイズ
- 「さあ、テッドを引きずり出すんだ。」
- 兵士、前へ。
- クレオ、前へ。
- クレオ
-
「そうはさせんぞ クレイズ。
いかに近衛隊隊長といえども、
テオさまの家に理由なく
入れるわけにはいかない。」 - グレミオ、前へ。
- グレミオ
- 「そうです。
この斧にちかって、
ここから先は通しません。」 - テッド、ゆっくりと部屋から出て玄関へ。
- テッド
- 「ま・・・まってくれ・・」
- クレイズ
- 「ふん。
おとなしく つかまる気に
なったかな。」 - テッド、ティエルに耳打ち。
- テッド
-
「ティエル・・・やつらは・・
ま・・まだおれが“ソウルイーター”を
持っていると・・思っている・・だから・・・・
・・おれがオトリになる・・
そのあいだに・・
・・・・逃げてくれ・・」 - グレミオ
- 「それじゃあ テッド君は・・・」
- ティエル
- 「いやだ」 ←
- テッド
- 「だいじょうぶだ・・・
あ・・・安心しろよティエル。
おれも・・逃げ切ってみせる・・」 - ティエル
- 「いやだ」 ←
「わかった」 - テッド
- 「おれは・・・おまえを信じている・・
だ・・だから・・・
おまえも・・おれを信じてくれ・・・」 - ティエル
- 「いやだ」 ←
「わかった」 - テッド
- 「おれを・・かなしませるなよ・・
おまえなら・・おれの気持ちが・・・
わかるはずだ・・・・」 - テッド
- 「だいじょうぶだ・・・
あ・・・安心しろよティエル。
おれも・・逃げ切ってみせる・・」 - ──以下ループ──
- 「わかった」 ←
- グレミオ
- 「ぼっちゃん!
テッドくんは あのケガなんですよ、
逃げ切れるはずがありませんよ。」 - クレオ
-
「言うな グレミオ。
ぼっちゃんにも わかっているはずさ。テッド君の気持ちをムダにしないためには
ここは逃げるしかない。
そうでしょう ぼっちゃん。」 - テッド
- 「は・・はやく行け!」
- グレミオ
- 「わかりました。
ぼっちゃん 調理場の裏口から
にげましょう。」 - 一同、調理場の裏口から脱出。
- テッド
-
「あ・・・ありがとよ・・
・・ティエル・・・300年の間で・・・
おまえが・・・・
・・おまえだけが・・・・
・・・ただ一人の友達だったぜ・・・」 - 暗転。
- ティエル、雨の降る街中を逃げる。
- ──宿屋
- マリー
- 「まあ、まあ、まあ、まあ、」
- マリー、ティエルの元へ駆け寄って来る。
- マリー
- 「だれかと思えば、マクドールさんとこの
ぼっちゃんじゃないかい?
いったい・・・・ とにかくこっちへ!」 - 暗転。
- ──三階の一室
- マリー
-
「まったく なにがあったんだい?
帝国の兵士たちは はしりまわっているし
あんたらはぬれねずみで 逃げて来るし。・・・・・・・・・・・?
まあ いいさ。
はなせないワケがあるんだろう。
だいじょうぶ、しばらくは ここにいな。
宿代はツケに しといてあげるよ。」 - グレミオ
- 「かたじけ ありません。」
- マリー、階下へ。
- ティエル、それぞれに話し掛ける。
- グレミオ
-
「ぼっちゃん。こうなった以上、
しばらくは 身を
かくしたほうがいいですね。しかし、こんなことになるとは・・・・」
- クレオ
-
「テオさまのいる
北方へ行き、力をかりる以外に
帝国にもどるすべは ないとおもいます。いまは ぶじに
このグレッグミンスターをぬけだす方法を
考えないと・・・」 - ティエルが階下へ行こうとすると、グレミオが声を掛けてくる。
- グレミオ
-
「ぼっちゃん。
あんまり、ウロウロしないで
くださいね。」 - ティエル、一階へ。
- マリー
- 「ぼっちゃん、
あんまり うろつかないほうが・・・・」 - ──食堂
- ビクトール
- 「やっべーーーな、
あんまりはらがへってたんで つい・・
どうするかなぁ。」 - ティエルが外へ出ようとすると、入れ違いに入って来た帝国兵にぶつかる。
- 兵士
-
「うわっ!いててててて・・
いきなりぶつかってきて
いてえな このチビすけがぁ!こっちはなぁ 休みだってのに
かり出されて、てつやで人さがし。
やっと ひと息ついた所なんだぞ!」 - ティエル
- 「うるさいな マヌケ」 ←
- 兵士、飛び上がって怒る。
- 兵士
- 「おまえらを守ってやってる
帝国の兵士さまにむかって
なんてイイグサだ!」
- 「(ここは 目立たないようにしないと)」 ←
- 兵士
- 「おい まてよ チビすけ。
人にぶつかっといて、あやまりもしねぇのか
親の顔が見てぇぜ。」
- 兵士
- 「ん? ちょっとまて。
おまえの顔 どこかで
見覚えがあるような・・」 - ティエル、後ずさる。
- グレミオとクレオが慌てて降りて来る。
- グレミオ
- 「ぼ、ぼっちゃん。
だいじょうぶですか?」 - クレオ、一歩前へ。
- クレオ
- 「おい お前ら、
どういうつもりだ!」 - 兵士
- 「なんだ おまえらは?
それに ぼっちゃんって?」 - 兵士2
- 「おい!そいつの顔を見せろ、
どうも おたずね者のマクドール家の
ガキに 似てるような気がする。」 - グレミオ、一歩前へ。
- グレミオ
- 「な、なんだと。」
- クレオ
- 「このまま さわぎが大きくなると
まずいことになるな。」 - グレミオ、ティエルへ向き直る。
- グレミオ
- 「ぼっちゃん。わたしたちが
やつらを くいとめます。
ぼっちゃんは 逃げてください。」 - クレオ
- 「そうだな やるしかないか。
いくぞ・・・・」 - ビクトール、食堂からやって来る。
- ビクトール
-
「はい、はい、はい、はい
そこまでに しときなよニイチャン。
そっちの 帝国のおえらいさんも、なあ、なあ 考えても見て下さいよ、
おたずね者になって まだこんな所で
ウロウロしてる、
そんな マヌケがいるわけないって、」 - 兵士
- 「ま、まあ そうだが
いちおう・・」 - ビクトール
- 「やめなよ、こわがってるぜ。
そのガキどもは このおれが
外にたたき出しといてやるよ。」 - 兵士2
- 「おい、ちょっと待て、」
- ビクトール、有無を言わさず一同を外へ連れ出す。
- 兵士
- 「まあ いいじゃないかよ。
別に帝国にそんなに ぎりだてする
必要もないし。」 - マリー、飛び上がって叫ぶ。
- マリー
- 「あーーー!!
あのおとこ!!!」 - 一同、宿屋の裏へ。
- グレミオ
- 「ありがとうございます 助かりました。」
- ビクトール
- 「なーに おたがいさまよ。
おれもなぁ、メシ代がなくて
こまってたところさ。」 - グレミオ
- 「ああー!!
ってことは じゃあ!!」 - クレオ
- 「ひとのことを
食い逃げのだしに・・」 - ビクトール
- 「まあまあ いいじゃねえか。
じゃあな、あぶない所を
たすけてくれて ありがとよ。」 - ビクトール、去って行く。
- 宿屋に戻ろうとすると、グレミオに引き止められる。
- グレミオ
- 「ここはまずいですよ。」
- 一同、ビクトールを追って城近くのベンチへ。
- ビクトール
- 「どうした? こまった顔して。
へへっ、知ってるぜ。 おまえだろ?
マクドール家の反逆者ってのは」 - グレミオ
- 「わたしたちは反逆者じゃないですよ!」
- ビクトール
-
「そりゃどっちでもいいや。
それよりも、おまえさんたち
ここからどうやって逃げ出す気だい?あんたらが その気なら
おれに 考えがある。
この手のことは なれてるんでね。
どうだい、のってみるかい?」 - ティエル
- 「信用できないな」 ←
- グレミオ
- 「そうですよね ぼっちゃん。
わたしも この人は信用できません。」 - ビクトール
- 「そう言うなよ。」
- ティエル
- 「信用できないな」 ←
「わかった たのむ」 - クレオ
- 「信用はできないが、
他に方法も思いつかないし、」 - ビクトール
- 「そうだろ。
お姉ちゃん あんたは話がわかるな。」 - ティエル
- 「信用できないな」 ←
「わかった たのむ」 - ビクトール
- 「そうかよ。
じゃあ すきにしな」
- 「わかった たのむ」 ←
- ビクトール
- 「ようし、まかせとけって。
ただ 一つ条件がある。」 - グレミオ
- 「ほら きましたよ。」
- ビクトール
-
「なーに、むずかしいことじゃない。
うまいこと逃げ出せたら、
あんたらに 会ってほしい人がいる。どうだい、悪くない条件だろ。
まあ、話は決まったんだ、 急ごうやまずは城門まで、いっしょに行こうぜ。
だーーいじょうぶ、帝国のやつらに
引き渡しなんかしねえよ。」 - ビクトール
が仲間に加わった! - 一同、城門へ。
- ビクトール
- 「さーーーてと。
おれが 話をつけてくる。
おとなしく まってなよ。」 - ビクトール、門番の兵士と何やら密談。
- ビクトール
- 「OKだぜ。
顔見られないように
するんだぞ。」 - 門番、門の前から移動して。
- 門番
- 「ふぁぁぁぁぁ、
ひざしが きびしくてたまらんな。
こっちの かげにでも・・・・」 - 一同、急いで門外へ。
- グレミオ
- 「はあ、はあ、やりましたね。
わたしは しんぞうがとび出すかと
思いましたよ。」 - クレオ
- 「しかし あんた、
どんな 手を使ったんだい?」 - ビクトール
-
「なあに、かんたん かんたん。
ちょいとばかし ワイロをつかませたのさ。
帝国軍も、弱者には強いが、金には弱い。皇帝の都といえども、このていどさ、
どこもかしこもくさって、
ゆるみきってるのさ。」 - クレオ
- 「なげかわしいね。」
- グレミオ
- 「でも・・・・・
ワイロって さっき金がないとか
言ってませんでした。」 - ビクトール
- 「あんたらが逃げるための金を
どうして おれが出すんだよ。」 - グレミオ、きょろきょろと懐を探る。
- グレミオ
-
「えっ?
・・・??????????ああーーーーっ!
サイフ!!
いつの間に!」 - ビクトール、グレミオに財布を返す。
- ビクトール
-
「ほらよ かえすぜ。
こんどはきちんと しまっときな。さあ約束 約束。
忘れてねえよな。
ええーーーと ぼうず・・・・ - グレミオ、飛び上がって叫ぶ。
- グレミオ
- 「ティエルさまだ!!」
- ビクトール
- 「じゃあ ティエル。
お前らに会わせたい人がレナンカンプに
いるんだ。行ってくれるよな?」 - ティエル
- 「約束だからね。」 ←
- ビクトール
- 「ようし、こんなところ、とっとと
おさらば しようぜ。
レナンカンプは南へ行けばすぐだ。」
- 「レナンカンプって どこだ?」 ←
- ビクトール
- 「はああ?
はこ入りの おぼっちゃんってわけか。
南に向かえばすぐさ。さあ、出発 出発。」
- 一同、レナンカンプへ。