幻想水滸伝1 台詞集 第一章

レナンカンプ

ビクトール

「やっとついたな、ティエル。
 ここがレナンカンプ、しけた町だが、
 いい地酒がある。

 まあ、おまえにはかんけいないか、
 はっはっはっはっはっはっは

 さあてと、こっからは おれの仕事だ
 ちょいと 話しをつけてくる。
 遅くなるかもしれんから、
 そのへんを見物でもしてな。」

ビクトール、離脱。
グレミオ
「ビクトールの言う 会わせたい相手
 というのは 誰なんですかね。
 あの男は どうも信用できませんけど。」
クレオ
「さあね。
 それよりどうする? わたしは
 シャワーでもあびたい気分だけど・・・」
──左手の民家
メグの母
「あら、あなたこの町の人じゃないわね。
 うちのむすめ、メグっていうんだけど、
 どこかで出会ったら、ちょっとは家に
 帰って来なさいってつたえてね。」
メグの父
「まったく、メグのやつ。
 あの てっぽうだまむすめ。
 なにが『ぼうけんがわたしをよんでるの』だ
 親に心配ばかりかけおって。」
──左奥の民家
クリン

「いいことを おしえてやるぜ、
 ウキキキ・・

 ばけものがときどき“つぼ”とかを
 おとしていくだろ。
 その中にはなぁ、けっこう値うちものも
 まじってるのさ、ウキキ・・

 そいつをかんてい屋にもっていけば・・・
 ウキキキ・・・・・」

──宿屋『けやき亭』
店主
「ようこそ けやき亭に。
 おとまりなら 一人70ポッチ。
 朝食も つけますよ。」
ティエル
「泊まる」 ←
「泊まらない」
「セーブする」
店主
「おや、 ビクトールさんの
 しょうかいですか。
 それなら一番いい部屋を用意しますよ。」
暗転。
──右手の一室
室内に大きな柱時計がある。
グレミオ
「けっきょく あいつ・・
 ビクトールって言いましたっけ
 帰ってきませんでしたね。」
クレオ

「しかし、今はあてもない。
 もうしばらく待って だめなら
 北方へむかおう。

 テオさまに会えれば
なんとかなるだろう。」

グレミオ

「・・・・・・・・・・・

 ねえ、クレオさん。
 パーンさんはなんで・・・・」

クレオ
「言うな・・・・、
 グレミオ。」
大きな物音。
グレミオ
「な、なんでしょうね、
 こんな夜中に。」
宿屋の入り口に兵士が並び立っている。
兵士
「この宿に、おたずね者の一行が
 泊まっているとの通報を受けた。
 今から調べさせてもらう。」
店主
「そんな らんぼうなぁ、
 お客さまは みなさん
 寝ているんですよ。」
兵士、飛び上がって怒る。
兵士
「うるさい!
 お前、反逆者をかばうつもりか?」
グレミオ
「ぼっちゃん 追っ手です!
 やっぱり あの男!!
 あんなやつ信用するんじゃなかった!」
クレオ
「まずいな。
 このままでは、いずれ見つかってしまう」
グレミオ、右往左往。
グレミオ
「ど、ど、どうしましょう?
 ぼっちゃん。」
ティエル
「戦おう」 ←
グレミオ
「わ、わかりました。
 このグレミオ、
 命にかえても ぼっちゃんのことを・・・」
クレオ
「なに言ってるんだい。
 あの人数だ 勝てるわけはない。
 頭をひやしな。」
「こわいから逃げよう」 ←
グレミオ
「そ、そうですね、
 じゃあ、この まどから・・」
グレミオ、部屋の窓を開けようとする。
グレミオ

「それっ
 おっ
 あれ?

 かたくて
 な・か・な・か・あ・か・な・い・ぞ。」

クレオ
「なにやってるんだ。
 やつら そこまで来てるよ。」
兵士、店主を囲い脅している。
グレミオ
「い、いよいよピンチに
 なってきましたね。」
クレオ
「グレミオ、
 なんとか、ぼっちゃんだけでも・・・」
柱時計の裏から声が掛かる。
????
「あなたたち、
 こっちよ!
 はやくして!」
グレミオ
「?????
 いまの こえは?」
ティエル、それぞれに声を掛ける。
グレミオ
「ど、ど、どうしましょう、
 ぼっちゃん。」
クレオ
「今のこえは・・・・
 たしか そこの時計から・・」
ティエル、柱時計へ。
柱時計が鳴りスライド。地下へと続く階段が現れる。
そこにはオデッサの姿が。
オデッサ
「なにをしてるの、
 早くして!
 みつかりたくないでしょう。」
グレミオ
「わっ とつぜん だれですか?」
クレオ
「だれでもいいさ。
 天の助けだ!」
一同、隠し階段から地下へ。
──地下
オデッサ

「ビクトールの言ってた
 “新しい仲間”っていうのは
 あなたたちでしょう?

 みんな まってるわ。
 ついてきて。」

オデッサ、奥へ。
ティエル、そのあとを追う。
地下の一室、机を囲むように五人。
時計回りに、ビクトール、ハンフリー、オデッサ、サンチェス、フリック。
ビクトール
「わりぃ わりぃ
 ひどいめにあったな ティエル。
 でもスリルあったろ?」
グレミオ
「どういうことですか これは!」
ビクトール

「いやあ、こんなに早く
 ばれるとは 思わなかったんでね。

 まあ、そのかわり オデッサとも
 会えたんだから いいじゃないか。」

クレオ
「オデッサって・・・・
 どこかで 聞いたような。」
グレミオ
「まさか!
 反乱軍の・・・・」
オデッサ

「あら、反乱軍とは ひどいわね。
 わたしたちは解放軍とよんでいるわ。
 よびかたなんて気にしてないけどね。

 あらためて、あいさつするわ。
 わたしが解放軍のリーダー、
 オデッサ・シルバーバーグ。
 よろしくね。」

フリック
「ビクトール。
 会わせたい奴ってのは
 そいつらのことか。」
ビクトール

「そうさ。聞いておどろくなよ。
 こいつはな あのテオ・マクドール将軍の
 息子なんだぜ。

 そして、その上 おたずね者さ。
 どうだい、こいつが仲間になれば、
 解放軍のためになるってもんだろ。」

グレミオ、飛び上がって抗議。
グレミオ

「じょうだんじゃないですよ!
 かってなことを 言わないで下さい。

 どうして ぼっちゃんが
 反乱軍なんかの仲間になるんですか!
 ねえ、ぼっちゃん?」

ティエル
「だれが仲間になるって言ったんだ」 ←
フリック
「って、本人は言ってるけど?」
ビクトール
「まあ、 それは、 そのなんだ・・
 おいおい せっとくすれば、 なあ?
 どうせ行くとこもないんだし。」
「解放軍にはいるのもいいかな・・」 ←
ビクトール
「って 本人も のり気だ。」
フリック

「じょうだんを言うな。
 最近はアジトが見つかることが多いんだ。
 スパイがまぎれこんでるに違いない。

 そんな時に、どこのだれかも
 わからないやつを 仲間にできるかよ。」

オデッサ

「どうやら、あなたたちも
 ビクトールにだまされたクチね。

 彼は自分が気に入ると
 ごういんにつれてくるんだから・・
 でも、帝国に追われているらしいし、
 外はまだ 帝国兵でいっぱい・・・

 あなたたち、
 ほとぼりがさめるまで ここにいていいわ。
 それから後 どうするかは
 あなたたちの自由よ。」

グレミオ

「じょ、じょうだんじゃないですよ
 ぼっちゃん。

 反逆者の仲間なんて
 そんなバカなこと できるわけ
 ないですよね。」

クレオ

「反乱軍・・・ いや解放軍か。
 このさい 本当に反逆者になるのも
 いいかもね。

 しかし、テオさまのことを考えると・・」

ティエル、それぞれに話し掛ける。
ビクトール

「おまえら 本当に帝国にもどれると
 思ってんじゃねぇよな。

 そんなことしてみろ、
 命がいくつあっても たりないぜ。」

ハンフリー
「・・・・・・・・」
オデッサ

「ごめんなさいね。
 おどろいたでしょう。
 ビクトールの悪いくせね。

 本当なら わたしたちは
 敵同士になるのね・・・
 ちょっと ざんねんね。」

サンチェス
「サンチェスと申します。
 よろしく お願いします。」
フリック

「オデッサが客としてむかえるのなら、
 おれも かんげいするぜ。

 おれはフリック。
 解放軍の青雷フリックといえば
 おれのことさ。
 えっ! 知らないのか・・・

 じゃあ おぼえときな。

 そっちの無口男 太刀のハンフリーと、
 サンチェス、そしてこのおれ青雷フリックは
 解放軍じゃ ちょっとゆうめいなんだぜ。」

ティエルが入り口へ戻ると、階段に人が倒れている。
グレミオ
「だ、だ、だいじょうぶですか。」
「オ、オデッサさまに・・・
 ・・・つ、伝えないと・・・・」
クレオ
「とにかく 中に運ぼう。」
暗転。
「ここは?」
オデッサ

「安心しなさい。
 ここは解放軍のアジトよ。

 それより、あなた わたしに用が
 あるんじゃないの。」

「じゃあ、あなたが
 オデッサさまですか?
 あ、ありがたい。

 じつは、あっしは清風山にたてこもる
 山賊の一人なんですが、
 いえ山賊といっても、狙うのはもっぱら
 あくどいやり口の帝国の奴らだけです。

 ところが、ついこのあいだ 帝国の近衛隊が
 やってきて、あっしらの親分の
 バルカスさまと シドニアさまを
 つかまえちまったんです。」

グレミオ
「バルカスとシドニアって
 もしかして・・・」
クレオ
「しっ 静かにしてろ。」
男、一歩前へ。

「オデッサさま おねがいです。
 バルカスとシドニアのアニキを
 助けてください。

 ロックランドのグレィディの野郎は
 親分たちを はりつけにしたまま
 うえ死にさせようとしてるんです。」

クレオ
「ばかな!
 さいばんもなしに しょけいするなんて!
 帝国法でも ゆるされてはいないよ!」
オデッサ
「そんな ひどいことを・・・」
フリック
「しかし、オデッサ。
 最近は帝国のかんしがきびしい。
 あまり目立った行動はとれないぞ。」
オデッサ
「人手が足りないのはわかっているわ。
 しかし、わたしたちをたよってきたのよ。
 それを 裏切ることはできないわ。」
ティエル
「ぼくらのせいだ」
「ぼくらには 関係ないな」 ←
クレオ
「ぼっちゃん。バルカスとシドニアは
 わたしたちがつかまえた
 あの山賊ですよ。」
ティエル
「ぼくらのせいだ」
「ぼくらには 関係ないな」 ←
グレミオ
「ぼっちゃん。
 ほうっておいて いいんですか。」
ティエル
「ぼくらのせいだ」
「ぼくらには 関係ないな」 ←
クレオ
「ぼっちゃん。
 過去の過ちを認める勇気を
 人は持たなければ いけません。」
ティエル
「ぼくらのせいだ」
「ぼくらには 関係ないな」 ←
クレオ
「ぼっちゃん。バルカスとシドニアは
 わたしたちがつかまえた
 あの山賊ですよ。」
 ──以下ループ──
オデッサ
「ぼくらのせいって どういうこと?」
グレミオ
「じつは・・・・」
暗転。
ビクトール

「なるほど、そんなことがあったのか。
 知らなかったとはいえ、このままに
 しちゃおけないよなティエル?

 ここは、バルカスとシドニアを
 助けてやらなきゃならん。
 そうだろ ティエル
 おれも手伝うからよ。」

クレオ
「さんせいだね。
 帝国を裏切る気はないが、
 グレィディはゆるせない。」
グレミオ

「そうですね・・・・
 グレィディの不正を正すのは
 帝国のためでもあるし・・

 それに、ぼっちゃんが
 そうすると 言うのなら、
 わたしはそれに したがいます。」

「ありがとうございます。
 バルカスさまとシドニアさまは、
 ロックランドの軍政官のやしきで
 はりつけになってます。

 はやくしないと ひぼしになっちまいます。
 おねがいします 親分たちを
 助けてください。」

オデッサ
「ティエル、
 わたしからもお願いします。
 ビクトール、お願いね。」
ビクトール
「ああさ、 わかってるって。
 いこうぜ、ティエル
 ロックランドへさ!」
ビクトール
がパーティーに加わった!
ティエル、それぞれに話し掛ける。
「おねがいします。
 バルカスとシドニアのアニキたちを
 はやく・・・・」
オデッサ
「ティエル、
 おねがいします。
 かれらを 助けてあげて下さい。」
フリック
「言っとくけど、おれはまだ
 おまえたちを信用したわけじゃないからな。
 ビクトール、お前をふくめてな。」
ハンフリー
「・・・・・・・・」
サンチェス
「ロックランドは帝都の東にあります。
 ここ、レナンカンプからは
 北東にあたりますね。」
一同、ロックランドへ。