幻想水滸伝1 台詞集 第一章

レナンカンプ3

──宿屋『けやき亭』
入り口に店主が倒れている。
オデッサ
「どうしたの
 これは・・・
 だいじょうぶ?」
店主
「て、帝国の・・
 やつら・・いきなりやってきて
 すいません・・オデッサさま・・」
オデッサ
「こ、こんな・・」
オデッサ、走って地下へ。
ビクトール
「おい、オデッサ」
グレミオ
「おいましょう ぼっちゃん!」
──地下
オデッサの悲鳴が聞こえる。
オデッサ
「きゃーーーーっ!」
クレオ
「いまのは!」
グレミオ
「いそぎましょう。」
奥へ進むと、オデッサが倒れている。
ビクトール
「だいじょうぶか オデッサ!」
オデッサがよろめきながら起き上がる。
オデッサ
「さ・・さあ、もう大丈夫よ・・・
 出て来なさい・・・・」
オデッサに庇われていた少年が這い出て来る。
オデッサ
「早く・・・・早く逃げなさい・・・」
少年
「う、うん」
少年、足早に逃げて行く。
オデッサ
「うっ!」
グレミオ、飛び上がってオデッサの元へ。
グレミオ
「オデッサさん!
 血が、」
ビクトール
「オデッサ!!
 なんでこんなことをした。
 おまえがいなくなったら解放軍は・・・」
オデッサ

「ご・・ごめんなさい ビクトール・・・

 どうやら・・わたしは・・
 解放軍の・・リーダーとしての自分より・・
 一人の女としての・・自分を・・
 え・・えらんでしまったようね・・・

 わたしには・・・あの子を・・
 見殺しにすることが・・できなかった。
 リーダーとしては・・・しっかくね・・・」

クレオ、一歩前へ。
クレオ
「しゃべるんじゃないよ オデッサ。
 傷口がひらくだろ!」
オデッサ
「ティエル・・・・
 ・・こっちに・・・来てくれる?」
ティエル、オデッサの元へ。
オデッサ

「あ・・あなたに・・・
 ・・お願いしたい・・ことが・・
 二つあります・・・

 一つは・・こ、これを・・・
 このイヤリングを・・セイカの村に・・住む
 マッシュという・・男に・・
 ・・渡してほしいの・・・」

ビクトール
「やめろオデッサ。
 最後の願いなんて
 バカなことを考えるな!」
オデッサ

「ビクトール・・・ありがとう・・・
 でも・・・もう・・・無理なことは・・
 ・・自分でもわかるの・・・

 ティエル・・・
 うけとって・・・・」

ティエル、跪いてオデッサからイヤリングを受け取る。
[ イヤリングを受け取った ]
ティエル、立ち上がる。
オデッサ

「も・・・もうひとつの・・・
 わたしの願いは・・・・・

 わたしの・・・からだを・・・
 その水のながれに・・
 なげこんで・・ほしいの。」

グレミオ
「そんな! なぜです?
 そんな ひどいことを
 どうして しなきゃいけないんですか?」
オデッサ
「おねがいよ・・・・
 ティエル・・・」
ティエル
「そんなことできません」 ←
ビクトール
「そうだ なぜなんだ
 オデッサ!」
オデッサ

「わたしが死んだことが・・
 わかれば・・
 めばえたばかりの・・・解放運動は・・

 またたくまに・・・消滅して・・しまいます
 だから・・わたしが死んだことは・・・
 かくさなければ・・・ならないの・・・

 かすかに・・・生まれた希望を・・・
 消すわけには・・
 ・・・・・・いかないのです。」

ティエル
「そんなことできません」 ←
「わかりました」
オデッサ

「よく見て・・・ティエル・・
 これは血よ・・・
 わたしの血・・・

 でもね・・帝国の政治のもとで・・・
 もっと・・・多くの血が・・・
 流されているの・・・あなたは・・・
 ・・それを知らないのよ・・・

 それを・・とめなくてはいけない・・・
 わたしが死んでも・・・その意志が・・
 残れば・・・

 わたしは・・・
 わたしの命に・・
 流された血に・・・
 ほこりを持つことが・・できるわ・・・」

ティエル
「そんなことできません」 ←
「わかりました」
ビクトール
「わかった。
 おれがやろう オデッサ。」
オデッサ
「ありがとう・・・ビクトール・・・
 わたしのために・・・
 ・・ないてくれるのね・・・」
「わかりました」 ←
ビクトール
「ティエル!
 おまえ どうして
 そんなことが言えるんだ!」
オデッサ

「ありがとう・・・ティエル・・
 あなたは・・・
 ・・・わかってくれるのね。

 ビクトール・・・
 わたしが死んだことが・・わかれば・・
 めばえたばかりの・・・解放運動は・・・
 ・・・またたくまに消滅してしまう・・

 だから・・わたしが死んだことは・・・
 か・・かくさなければいけないの・・
 かすかに・・・生まれた希望を・・・
 消すわけには・・・いかない・・・・」

オデッサ

「ねぇ・・・どこかでフリックに・・
 出会えたら・・伝えてくれる?

 あなたの・・・やさしさは・・・
 いつも・・・いつでも・・・
 わたしを・・・なぐさめてくれた・・と

 じゃあ・・そろそろサヨナラみたい・・・
 ティエル・・・
 わたしの見ることの・・・できなかった
 ・・・自由な世界を・・・・」

オデッサ、力尽きる。
暗転。
ビクトール
「おわかれだ・・・・
 ・・オデッサ・・・」
暗転。
──宿屋 入り口
グレミオ
「たぶん わたしたちは
 行かなきゃいけないんでしょうね。
 セイカの村へ。」
クレオ

「ああ、
 マッシュという男をさがさなきゃな。

 しかしセイカの村へ行くには
 クワバの城塞を通らなければいけない。」

ビクトール
「クワバの城塞・・・
 やっかいだな。
 しかしまぁ なんとかなるだろう。」
一同、クワバの城塞へ。