幻想水滸伝1 台詞集 第二章

ソニエール監獄

帝国兵
「ごくろうさまです。」
ビクトール
「うむ。
 ミルイヒさま じきじきの命令書だ」
帝国兵
「はい。これは たしかに。
 それでは 中へ」
一同、奥へ奥へと進んで行く。
──最奥
牢屋にリュウカンが捕らわれている。
リュウカン
「おや、そろそろ おむかえかね。
 かくごは できとるぞ。
 この世に みれんもないしな。」
フリック
「みれんを なくされちゃこまるぜ。
 あんたを助けに来たんだ。」
リュウカン
「あんたらは・・・・
 そうか、わしの家に来て、
 やっかいごとを ひきおこしてくれた・・」
フリック
「なんでもいいから。
 今は とにかくここを出るぞ!」
リュウカン
「そうじゃな。
 そろそろ お日さまも
 見たいしのぉ。」
一同、脱出。
入り口へ差し掛かったところでミルイヒが現れ、扉を閉ざす。
ミルイヒ・オッペンハイマー
「おやおや、また会いましたね。
 コソドロが入ったと聞いて来てみたら、
 あなたたちでしたか。」
ビクトール
「いい所であったぜ。
 ここで、決着をつけようじゃないか。
 手間がはぶけて ありがたい。」
ミルイヒ・オッペンハイマー

「おやおや、これはやばんな、
 剣のうでで、おくれをとりはしませんが、
 今は あいにくそういう気分ではないので、

 あなたたちには これをさしあげます。」

ミルイヒ、瓶を掲げる。
ミルイヒ・オッペンハイマー

「見えますか。このビン。
 このビンには、わたくしの苦心のほうしが
 たくさん入っています。

 すごいですよ。大変だったんですから。
 このほうしは ですね。
 人間を食べちゃうんですよ。
 人食いほうしですね。」

フリック
「なんだって!
 そんなものを どうする気だ。」
ミルイヒ・オッペンハイマー
「こうします。」
ミルイヒ、瓶を床に叩き付ける。
ミルイヒ・オッペンハイマー

「われちゃいました。
 さあ 早く逃げないとあぶないですよ。

 まあ、そっちはいきどまりですから
 同じことですけどね。
 では わたくしは これで・・・」

ミルイヒ、足早に去って行く。
ビクトール、ミルイヒの去った扉へ。
ビクトール
「ちっ、開かねーぜ。
 ミルイヒのやつ、
 しっかりカギをかけていきやがった。」
ビクトール、ティエルの前へ。
ビクトール
「おい 逃げろ。
 食われちまうぞ!」
グレミオ、逆の扉の開閉レバーを操作する。
一同、扉の外へ逃げ出る。
グレミオ
「ぼっちゃん。
 はやくとびらの外へ!」
グレミオ、ティエルを外へ突き飛ばし、扉を閉ざす。
ビクトール
「おい! まさか!
 グレミオ! おい 早く出て来い!
 なにを してるんだ!!」
グレミオ
「ビクトールさん。
 このとびらは こちらがわからしか、
 開けしめが出来ないみたいです。」
ビクトール
「なにを言ってる!
 だいじょうぶだ なんとかなる。
 だから 早くこっちへ・・」
グレミオ
「いえ、もう無理みたいです。
 わたしの足元まで、ほうしが来ましたから、
 今、開けたらみなさんまで・・・」
ティエル
「とびらを開けろ グレミオ!」 ←
グレミオ
「ぼっちゃん。
 グレミオは 初めてぼっちゃんの
 言うことに逆らいます。」
「すまない。 グレミオ」 ←
グレミオ
「いえ、いいんですよ。」
グレミオ

「ぼっちゃん。
 聞こえますか?

 すいません。
 グレミオは もうこれ以上、
 ぼっちゃんをお守りすることが
 できなくなりそうです。

 ・・・・・・・・・・・・
 でも、もうぼっちゃんは グレミオの
 助けなど必要がないほど、
 成長なされましたね。

 ぼっちゃん・・・・・・
 ぼっちゃんは りっぱになられましたよ。
 その姿を テオさまにお見せしたかった。」

ビクトール
「グレミオ・・・・・」
グレミオ

「ぼっちゃん・・・
 そろそろお別れみたいです。
 目が かすんできましたよ。

 ぼっちゃん・・・・・
 ぼっちゃんは グレミオのほこりですよ。
 お願いです。ぼっちゃんは 最後まで
 信じることをつらぬいてください。

 それがグレミオの・・・・
 最初で・・最後の・・・
 お願いで・・・・す。」

暗転。
マッシュが駆けつけてくる。
マッシュ

「ごぶじでしたか? ティエルどの。
 帰りがおそいので、軍勢を率いて
 きてみたのですが・・・

 どういうことでしょう?
 帝国兵たちの かげもかたちも
 ありません。」

ビクトール
「たぶん。さっきの人食いほうしに
 やられて。」
マッシュ
「人食いほうし?」
ビクトール
「まずは ここを出よう。
 ティエルには、休息が必要だ。」
一同、外へ。
そこには、グレミオのマントと斧だけが遺されていた。
ティエル、茫然とそれを見つめ、しゃがみ込みマントを握り締め俯く。
ティエル
「・・・・・・・・・・・」
ティエル、瞼を閉ざしたまま立ち上がる。
そうしてゆっくりと瞬き前を見据えたあと、遺品を残しその場を立ち去る。
ビクトール
「ちょっと 待ってくれ。」
ビクトール、遺品を回収して戻って来る。
ビクトール
「いいぜ 行こう。」
一同、脱出し本拠地へ。