幻想水滸伝1 台詞集 第三章

戦士の村

ヒックス
「やめなよテンガアール。
 行っちゃだめだよ。」
テンガアール
「はなしてよ、ヒックス。
 ぼくは もう行くって決めたんだからね。」
ヒックス
「だめだよ。食べられちゃうよ。
 みんなが そう言ってるよ。」
テンガアール
「じゃあ きみが守ってくれるのかい?
 まだ自分の剣に名前も
 つけられないきみが、 どう?ヒックス」
ヒックス
「そ、それは・・・・
 で、で、でも みんなが守ってくれるよ」
テンガアール

「きみは いつもそうなんだね。
 それにさ、血を吸われるなんてのはうわさに
 すぎないじゃないか。

 もしかしたら、お城で
 いいくらしが できるのかもしれない。
 こんな うらぶれた村より、
 よっぽどいいかもね。」

ヒックス
「そ、そんなぁ」
言い争う二人の元へ、村長のゾラックがやって来る。
ゾラック
「テンガアール! あれほど家を出るなと
 言ったのに。悪い娘だ。
 いつネクロードが来るかわからんのに!」
ビクトール
「なにい!!
 ネクロードだって!」
ビクトール、三人の元へ駆け寄る。
ビクトール
「おい! おっさん!!
 いま ネクロードって言ったか!」
ゾラック
「なんだ おまえらは?」
ビクトール
「うるせぇ!
 きいてるのは こっちだ!
 答えろよ!!」
クレオ
「どうしたというんだ?
 こうふんするな ビクトール」
ヒックス

「もしかして、
 この人たちは解放軍の・・・

 そうだよ。ぼく見たんだ。
 ミルイヒの城を解放軍が攻める所を、
 このクマみたいな人も 見たことあるよ。」

ビクトール
「クマーーー?」
ヒックス、慌てて後ずさる。
ヒックス
「わ、わ、わ、 おこんないでよぉ。」
ゾラック

「そうですか 解放軍のかたがた・・
 すると あなたが
 ティエルどのですね。

 うわさは 聞いていますよ。
 わたしの家に来てもらえませんか?
 ネクロードの話も そこでしましょう。
 こちらへどうぞ。」

ゾラック、テンガアールを手を引く。
テンガアール
「いたっ! いたいよ!
 手をひっぱんないでよ!
 ぬけちゃうじゃない!」
ゾラック
「いいから来るんだ。」
ゾラック、二人を引きつれ村長の家へ。
──道具屋
ウィンドゥ

「ぼくの名前はウィンドゥ。
 まだ“戦士”にはなっていないんだ。

 でも、本当言うと“戦士”になんか
 なりたくないんだ。
 そうだなぁ、ぼくは
 “かざりまど”の職人になりたいな。」

──鍛冶屋 前
マルコ
「おや、また会ったねおにいさん。
 どうだい一勝負?おれから5000以上
 勝ったら仲間になってやるよ。」
マルコ
「にいさん強いねぇ
 やられたぜ」
マルコ
「やるねぇ、ようしやくそくだ
 仲間になってやるよ。」
マルコ
が仲間になった!
──鍛冶屋
ムース
「あいよ。仕事かい?」
ティエル
「仲間にさそう」 ←
ムース

「解放軍にかい?
 うーーーーーむ。たしかに
 帝国の乱れぐあいはひどいものだ。

 しかしなぁ、かじ屋はかじ屋をするのが
 仕事じゃないかな。
 モースは解放軍に入ったらしいが・・・」

マース、ミース、モースをパーティーに入れて話し掛ける。
ムース

「マース、ミース、モース、
 あんたたちが解放軍に・・・

 ティエルさま、かれらが信じたのなら
 わたしも信じることができます。
 わたしも解放軍に・・・・」

ムース
が仲間になった!
「仕事をたのむ」 ←
──村長の家
ヒックス
「か、解放軍のみなさんなら
 あいつをやっつけられますよね。」
テンガアール
「もう、ヒックスはたよりないんだから。
 ねぇ、きみ
 ヒックスのかわりにぼくを守ってくれる?」
ゾラック

「3ヵ月ほど前です。この地方を治める
 新しい将軍としてネクロードという
 男がやってきました。

 やつはおそろしい魔法をかけ、
 帝国兵をゾンビやスケルトンに
 かえてしまったのです。」

クレオ
「なるほど、それで
 ロリマーの砦に あんなに はかが・・」
ゾラック
「そして やつは ゾンビたちを使い
 ちかくの村をおどしはじめたのです。
 その ようきゅうというのが・・・」
ヒックス
「テンガアールを
 城にさしだせなんて
 ゆるせないよ。」
ビクトール
「やつの やりそうなことだ。」
ゾラック

「ほかの村はようきゅうをのんで
 女をさしだしましたが、
 この村は違います。

 この村は戦士の村、
 そもそも、この村は・・」

ヒックス
「うわ、うわ、うわ、」
テンガアール
「はじまった。
 ぼくは知らないよ。」
ゾラック

「・・聖戦士クリフトが
 最後の戦いの後、この村を開き、
 代々、クリフトのまつえいである

 われら戦士の村の一族によって
 守られて来た村なのです。
 もちろん、ただ へいおんぶじに
 すごして こられたわけではありません。

 とうぜんのことながら、この村にも
 危機と言えることもありましたし、
 みずから、一族をひきいて戦いに出た
 村長もおりました。

 そのなかでも、とりわけ
 おおきな てがらをたてた村長が
 5人おりまして・・・・・・」

暗転。
ゾラック
「・・・これにより先代のカラックより、
 このわたしが、戦士の村の村長のやくめを
 ひきわたされたわけなのだ。」
ビクトール
「ひ、ひでぇ目にあった。」
クレオ
「もう 日がくれたよ。
 よくもあれだけ しゃべれるもんだね。」
ビクトール
「おっさん 話はもう終わりだろうな。」
ゾラック
「なに、もっと聞きたいのか?
 それなら いい話が・・・」
ビクトール
「わっ わっ いい いいけっこうだ!
 おれは 休ませてもらう。」
ゾラック
「それなら、部屋を用意してある。
 ゆっくり 休んでくれ。
 つづきの話は 明日にでも・・」
暗転。
ゾラック

「ビクトールどのや クレオどのは
 もう休まれましたよ。
 ティエルどのも お部屋のほうへ・・

 それとも 朝までわたしと
 話でも しますか?」

ティエルが部屋を出ると、テンガアールが話し込むヒックスとクレオを見ている。
テンガアール

「あそこで ヒックスと話してるの・・
 たしか あの人、クレオさんだったよね。

 な、なんだよ。
 ぼくは べつに気にしてなんかないよ。
 ただ、ちょっと通りかかっただけさ」

テンガアール、慌てて駆け去って行く。
クレオ
「はなしってのはなんだい?
 きょうは もうこれ以上
 聞きたくない気分なんだけどね。」
ヒックス

「ごめんなさい。クレオさん。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

 クレオさん。」

クレオ
「なんだい?」
ヒックス

「クレオさんは
 女の人なのに、どうして
 戦っているんですか?

 この戦士の村では、
 女の人が戦う なんてこと
 しないのに。」

クレオ

「どうして・・・か・・
 別に、女が戦うのに
 とくべつな理由はいらないよ

 男とおんなじさ、
 守りたいものが ある。
 ヒックス、あんたにも
 守るべきものが あるんじゃないかい。」

ヒックス
「え、う、うん。
 でも ぼくは強くないから・・」
クレオ
「そうだね。
 弱いやつが無理をすることはない。
 死んでしまったら、どうにもならない。」
ヒックス
「・・・・・・・でも・・」
クレオ
「ヒックス。
 自分が弱いと思っているあいだは
 強くは なれないよ。」
ヒックス
「そうですね。
 ありがとうございましたクレオさん。」
クレオ
「ああ、お休み ヒックス。」
クレオ、部屋へと入って行く。
ヒックス、角を曲がったところでティエルとぶつかる。
ヒックス

「うわっ、
 ・・・・・・・・・!

 ティエルさま!
 お、お、おやすみなさいーー!」

ヒックス、慌てて駆け去って行く。
ティエルが部屋へ戻るとクレオは既に眠っていた。
クレオ
「・・・・・・・・・・グウ」
ティエル、窓辺に佇むビクトールの元へ。
ビクトール

「ティエルか。ねむれないぜ、
 やっと、やつの、ネクロードのしっぽを
 つかんだんだからな。

 やつは ネクロードは人間じゃない。
 紋章を使い、吸血鬼になった男だ。
 やつのせいで、おれの生まれた村は
 全滅したよ。

 おれが村にもどったときに見たものは、
 やつの魔法で、ゾンビにされた家族が
 おたがいに 食いあってる姿だった。

 それからさ、おれの旅がはじまったのは。
 それも、ここで終わるのかもな。
 ここで・・・、この手で奴を・・・

 ティエル、おまえは もう寝な。
 おれか?
 おれは もう少し、この月をみているよ。」

ティエル、ベッドへ。
暗転。
翌朝、クレオが起こしにやって来る。
クレオ
「おはようございますティエルさま。
 どうです きのうのつかれは
 とれましたか?」
二人が村長の家を出ると、村の入り口に人が集まっている。
ネクロード
「おはようございます。みなさん。」
ゾラック
「なにをしにきた!ネクロード」
ネクロード
「もちろん、娘さんをむかえに
 きたのですよ。それぐらいわかるでしょう。
 娘のことなんですから。」
ゾラック
「テンガアールはわたさんぞ!」
ヒックス
「そ、そうだ!
 だいたい、昼間にやってくるなんて
 吸血鬼のくせに ひじょうしきだぞ!」
ネクロード

「ひじょうしき? そう言われましてもね。
 わたしは 紋章を使って吸血鬼となった、
 ゆいしょ正しい吸血鬼ですからね。

 このぐらいの日の光など、
 なんてことないですよ。
 ただ、昼間はねむくて
 しかたないんですがね。」

ゾラック
「とっとと 帰れ!
 戦士の村の力、
 見せてやるわ。」
ゾラック、村人と共にネクロードに挑むも惨敗。
ゾラック
「うっ・・ううっ・・・」
ネクロード
「見せてもらいましたよ、あなたがたの力
 まあ こんなものでしょう。
 人間の力なんてものはね。」
ビクトール、ネクロードの前へ進み出る。
ビクトール
「ネクロード! きさま!!
 やっと 追いついたぞ!
 覚悟しろ!!」
クレオ
「ビクトール!」
戦闘開始。
ネクロードに攻撃が利かず、一同全滅。
ネクロード

「ふふ、このわたしも
 ゆうめいになったものですね。
 まったく こまりものです。

 さあ、気がすんだでしょう
 彼女を渡してください。
 わたしのきねんすべき70番目の
 花嫁にしてあげますよ。」

ネクロード、テンガアールの元へ進み出る。
ヒックス、テンガアールを背に庇う。
ヒックス
「ま、ま、ま、まて。
 テ、テンガアールは、
 わ、わ、わ、わたさないぞ。」
ネクロード
「どいてください。
 それとも 死にたいんですか?」
ヒックス
「い、い、い、いやだ。」
ネクロード
「しかたありませんね」
テンガアール
「まって!
 どいてちょうだい ヒックス」
ヒックス、テンガアールへと向き直る。
ヒックス
「な、なにを言うんだ。
 ぼ、ぼくが きみを・・・」
テンガアール

「ありがとう ヒックス。
 でもね、そんなことをして
 死んじゃったら・・・

 そこをどいてよ ヒックス!」

テンガアール、ヒックスを押し退けてネクロードの元へ。
ネクロード
「いい心がけですね。
 すなおな娘は すきですよ。」
テンガアール
「ぼくが行けば、村のみんなを
 傷つけたりしない約束よね。」
ネクロード
「もちろん そうですよ。
 このわたくし、約束は守りますよ。」
ヒックス
「テンガアール!
 ぜったい ぜったい ぜったい ぜったい
 きみを助けにいく!」
テンガアール
「うん まってるよ。ヒックス・・」
ネクロード
「さて 行きますか。
 わたしの かわいい花嫁よ。」
ネクロード、テンガアールを攫い村を去って行く。
暗転。
──村長の家
ティエル、ベッドの上で目を覚ます。
ビクトール

「気がついたか ティエル。
 やつを目の前にして、
 なんにもできないとはな。

 やつをたおすには、
 やはり特別な武器が必要なんだ。
 とくに紋章の力で吸血鬼になったやつには
 ふつうの武器は はがたたない。」

一同、村長の元へ。
ゾラック

「吸血鬼をたおせる特別な武器ですか・・
 さて、そういう話は・・

 いや、まてよ。
 そうだ、あそこなら・・何か・・」

ビクトール
「なんだ 心あたりがあるのか!」
ゾラック

「ああ、この村の西にクロン
 という寺があります。

 そもそも、このクロン寺というのは、
 ふるくは、一人の僧クロン・・・」

ビクトール
「がーーーーーっ!!
 てめぇ したを引き抜いてやろうか!!
 必要なとこだけ言え! 必要な!」
ゾラック
「おお、そうでした。
 そのクロン寺には、門外不出の
 秘密があるとか・・・」
ビクトール
「なんだよ。たよりない話だな。」
クレオ
「しかし、他に手がかりもない。
 行ってみるしかないだろう。」
一同、クロン寺へ。