幻想水滸伝2 台詞集 第一章

傭兵隊の砦2

──酒場
リオウ、ポールへと小麦粉を渡す。
ポール
「よし、よし、えらいぞ。
 これで全部だな。」
ゲンゲン
「じゃあな、リオウ!」
ゲンゲン、リオウの元を去る。
トウタ
「ぼくも、そろそろ帰らないと。
 じゃあね、リオウさん!
 楽しかったよ!!」
トウタ、リオウの元を去り帰って行く。
ポール
「それじゃ、メシにしようぜ。」
暗転。
──牢屋
夜、虫の音が響いている。
リオウ、胡坐をかいて出された食事を元気良く食べている。
ポール
「どうだい 今日のめしは?
 料理番にたのんで
 ちょっと多めにしてもらっといたよ。
 おまえさん、がんばってるからな。」
暗転。
──翌朝
──地階 倉庫前
ポール

「今日の仕事はこれだ。
 ゆかをよく見てくれ。
 油があちこちこぼれているだろう?

 その油をこの布で・・・・・

ポール、見本として床の油汚れをきゅきゅと拭き取る。
ポール
「こんな風に、
 ふきとってくれるかリオウ。
 あとで、見に来るからな。
 ピカピカにしておくんだぜ。」
[ 布を手に入れた ]
暗転。
ポール2
「まだ、よごれがのこってるぞ。
 ピカピカにたのむぜ。」
リオウ、油汚れを全て拭き取り、ポールの元へ。
ポール
「おお、本当にピカピカじゃねぇか。
 おまえさん、才能あるぜ。」
リオウ
「もちろん!」 ←
ポール

「はっはっは、元気がいいな、気に入った。

 よし、今日の仕事は終わりだ。
 油をふきとった布は・・・・
 ああ、どっかにかたづけといてくれ。
 それじゃ、ばんめしにしようぜ。」

「そんな才能・・・・・」 ←
ポール

「はっはっはっは、じょうだん、じょうだんだよ。
 面白いやつだな。気に入ったぜ。

 よし、今日の仕事は終わりだ。
 油をふきとった布は・・・・
 ああ、どっかにかたづけといてくれ。
 それじゃ、ばんめしだ。」

暗転。
──牢屋
夜、虫の音が響いている。
リオウ、胡坐をかいて出された食事を元気良く食べている。
ポール
「おまえさんも、今日はつかれただろう。
 ごくろうさん。
 ははっ、おまえさんといると
 こっちも楽しくなるよ。」
暗転。
傭兵隊兵士
「おい、だれかが忍び込んだらしいぞ!!」
ポール、慌てて牢屋を去る。
そこへ、遠くからジョウイの声がする。
ジョウイ
「リオウ!
 いたら返事をしてくれリオウ!!」
リオウ
「ここだよジョウイ!!」 ←
「・・・・・・・・・・・・・・」 ←
ジョウイ、壁を叩く。
ジョウイ

「いないのかいリオウ?
 こえが出せないのなら、合図をしてくれ。」

リオウ
「ここだよジョウイ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・」 ←
ジョウイ、壁を叩く。
ジョウイ

「ま・・・まさか、もう・・・・
 そ、そんなはずはない!
 リオウ!!どこにいるんだ!」

リオウ
「ここだよジョウイ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・」 ←
ジョウイ、足早に牢屋のリオウの元へ。
ジョウイ
「リオウ・・・・
 よ・・よかった・・・・・・
 今、たすけるよ。」
ジョウイ、棍で牢屋を破り侵入。
ジョウイ
「だいじょうぶだったかい?
 元気そうだし安心したよ。
 さぁ、兵士があつまってくるまえに逃げ出そう。」
リオウとジョウイ、脱出すべく一階へ。
階段を上がったそこには、ビクトールとフリックが兵士と共に待ち構えていた。
フリック
「ようし、そこまでだ。
 大人をおこらせる前に、
 おとなしくつかまっておいたほうが良いぞ。」
ジョウイ
「くっ・・・この人数じゃ・・・・・」
リオウ
「強行突破だ!」 ←
リオウ、果敢にもフリックに立ち向かって行くが一撃の下に倒されてしまう。
ジョウイ
「だいじょうぶか!リオウ!」
「・・・わかりました」 ←
フリック

「そうそう、さあて素性を聞かせてもらおうか。」

暗転。
──二階 広間
リオウとジョウイ、ビクトールらと机を挟んで向かい合っている。
リオウとジョウイの背後では、兵士がそれぞれ見張りに就いている。
ビクトール
「ええっと、とりあえず名前からだな。」
ジョウイ
「ジョウイ・・・
 ジョウイ・アトレイド・・・です。」
ビクトール
「ジョウイね。
 リオウを助けにきたっていうことは、
 おまえもハイランドの人間か?」
ジョウイ
「そうです。」
フリック
「そうか・・・・あの時見失った
 もう一人がおまえだな。」
ビクトール
「そういえば、おまえたちが
 なんであんな目にあっていたのか、
 聞いてなかったな。」
ジョウイ
「それは・・・・・・・・」
ビクトール

「たしかリオウが
 『都市同盟の奇襲』と言っていたが、
 休戦協定以降、
 都市同盟の軍が動いたことはないぜ。

 いったい、何があったんだ?」

リオウ
「じつは・・・・・・」 ←
ジョウイ、リオウへと向き直る。
暗転。
ビクトールとフリック、向かい合い向き直る。
ビクトール

「ふーーーん、こいつはキナくさいな。
 ルカ・ブライト・・・・名前は聞いているが・・・

 それで、おまえは
 リオウを助け出した後
 どうするつもりだったんだ?」

ジョウイ
「リオウを助けて、
 二人でキャロの街にもどるつもりです。」
フリック
「つまり、まだ逃げ出すつもりということかい?」
ジョウイ
「はい。」
ビクトール、その場の往復をくり返し向き直る。
ビクトール
「うーーーーん、まいったな。
 まあ、少しゆっくりしていってくれ。
 部屋は牢しかないが、
 食事と寝場所は用意させておくからな。」
「それは言えません」 ←
ビクトール

「そうか・・・・ワケありってことだな。
 まあ、今夜は再会をいわっておいてくれ。
 場所はまた牢屋ですまないがな。」

暗転。
──牢屋
ジョウイ、リオウに背を向けていたが振り返り向かい合う。
ジョウイ

「すまない・・・
 けっきょく、きみを助けられなかった・・・
 あのあと、ぼくが目をさましたのは
 トトという名前の村だった。

 気を失って、川岸にうちあげられているぼくを
 見つけてくれた女の子の家で傷の手当てを受けて、
 数日がたったころ

 傭兵部隊が少年を一人ほりょにしたっていう
 うわさを聞いたんだ。
 きみのことだと思って、助けにきたんだが
 考えがあますぎたよ・・・・・すまない。」

暗転。
リオウ、胡坐をかいて出された食事を元気良く食べている。
ジョウイ、肩膝を立て食事を見つめている。
リオウ、そんな様子のジョウイを気にしながらも食事を続ける。
ポール

「わるいなぁ、
 一人分ふえたもんで、
 ちょっとそまつになっちまったが
 ガマンしてくれよ。

 リオウ、わるいことは言わないから
 逃げ出すなんてやめとけよ。
 そのうちおれがボスにたのんで
 ここから出してやるからさぁ。」

ジョウイ、ポールを見やる。
ジョウイ
「すいません。
 スプーンをかしてもらえますか?」
ポール、ジョウイへと向き直る。
ポール
「スプーン?
 スープをのむのにそんなもん使うのかい?
 お上品なことだな。
 待ってな、もってきてやるよ。」
ポール、牢屋を出て行く。
暗転。
リオウとジョウイ、黙々と食事を続ける。
ジョウイ、手を止めリオウを見やる。
ジョウイ
「リオウ・・・・・
 ・・・ニンジン食べるかい?」
暗転。
暗闇の中、ジョウイが周囲を見回している。
ジョウイ

「そろそろ良いかな。

 リオウ、
 君が今もっているものを見せてくれないか?」

ジョウイ、リオウへと向き直る。
リオウ
「逃げ出すのかい?」 ←
ジョウイ

「もちろんさ。
 つかまってすぐに逃げ出すとは
 思っていないだろうからね。

 えっと・・・・・・

 火打ち石、油のついた布、ロープ・・・

 すごいぞ。これだけあればじゅうぶんだよ。
 さあ、まずはここを出よう。」

「なんで?」 ←
ジョウイ

「ここから逃げ出すんだよ。
 つかまってすぐに逃げ出すとは
 思っていないだろうからね。

 えっと・・・・・・

 火打ち石、油のついた布、ロープ・・・

 すごいぞ。これだけあればじゅうぶんだよ。
 さあ、まずはここを出よう。」

ジョウイ、牢の扉の前へ。
ジョウイ
「さっきかりたスプーンを
 こうやってまげて・・・・」
ジョウイ、スプーンを取り出し扉を破る。
ジョウイ
「よし、開いたぞ。
 今度はつかまらないようにしないとな。」
リオウとジョウイが一階へ行くと、昇り階段付近に二名の兵士がいた。
傭兵隊兵士
「ふぁぁぁ・・・・・
 さっきのゴタゴタでつかれちまったよ・・・
 ふぁぁぁぁ・・・・・」
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ

「とびらはカギがかかっているし・・・・・・・

 よし、さっきの布と火打ち石をかしてくれ。
 こいつに火をつけて・・・・・」

ジョウイ、火を打ち布へと点火し遠くへと放り投げる。
階段を昇りかけていた兵士ら、不審火に気付く。
傭兵隊兵士
「ん・・・・・なんだぁ このにおいは・・・
 あっ!!」
兵士ら、火元へと急ぐ。
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ
「よし、いまだ。
 行くよ リオウ。」
兵士らの方へ向かうと、ジョウイに止められる。
ジョウイ
「だめだよ!!!
 みつからないうちに、上へ行こう!!!」
出口へ向かうと、そこはやはり施錠されていた。
ジョウイ
「やっぱり・・・・カギがかかっているよ。
 なんとか逃げる方法は・・・・
 とりあえず見つかる前に2階へ行ってみよう。」
──二階
ジョウイ
「どこか・・・・外に・・・・」
リオウとジョウイ、ベランダへ。
ジョウイ

「リオウ、ロープをかしてくれ。

 よし・・・・・じゃあ、ぼくが先におりるよ。」

ジョウイ、ロープを結び垂らして先に降りて行く。
リオウ、それに倣ってロープを伝い下へ降りる。
リオウとジョウイ、砦を脱出する。
暗転。
──門前
ジョウイ

「リオウ・・・・・・・・・・・・
 あの奇襲の夜に見たのは・・・・
 ラウド隊長とあの男の話していたことを考えると
 キャロの街に戻るのは危ないかもしれない。

 でも、どうしても一度もどってたしかめたい。
 それにキャロの街には
 きみの義姉のナナミも待っている。

 多分・・・
 きみのことを心配しているよ・・・・・」

リオウ
「キャロの街にもどろう。」 ←
ジョウイ
「そうだな。
 あの街はぼくらのそだった街だ。
 そうかんたんにすてられないよ。」
「もどるのはきけんだよ。」 ←
ジョウイ
「しかし・・・・
そこへ追っ手がやって来る。
リオウとジョウイ、気付いて兵士らへ向き直る。
傭兵隊兵士
「あそこだ!!」
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ
「逃げよう、リオウ!!」
リオウとジョウイ、砦を駆け出して行く。