幻想水滸伝2 台詞集 第一章

リューベの村2

──広場
旅の一座の公演を多くの村人が見物している。
ボルガンは火を吹き、アイリはナイフでジャグリングを、リィナは端でカード占いをしていた。
アイリ、ジャグリングをやめ観衆を見渡す。
アイリ

「さあて・・・そろそろ次の出し物に・・・
 そうだね・・・・・よしそこのあんた!

 そう、あんただよ。」

アイリ、観衆を掻き分けリオウの元へ。
アイリ、何事かと不思議がるリオウをぐるりと見定める。
アイリ
「よーーーし、背たけもちょうどいいし、
 顔もよく見りゃかわいいじゃない。
 おいで、ほら早く!
 こっちこっち!」
ジョウイ
「お、おい・・・リオウ・・・」
リオウ、アイリに引きずられ木を背に立たせられる。
アイリ、リオウを後ろ手に縛る。
ボルガン、飛び上がって観衆へと声を上げる。
ボルガン

「みなさーーーーん!!!!
 ちゅうもーーーく、ちゅうもーーーーーく。

 えーーーー、ここにあらわれましたーーーる
 ナイフなげの・・・・・めいしゅ!!」

アイリ、足早にボルガンの元へ。
ボルガン、飛び上がって驚く。
アイリ
「ちょっと、ちょっとぉ
 教えたのと違うだろう!」
アイリとボルガン、改めて観衆へと向き直る。
ボルガン

「あーーーーーー
 あらわれましたーーるナイフなげのめいしゅ
 にして、名だたる美少女のーーー
 アイリ嬢でーーーす。

 そのすばらしきうで前、
 うつくしきみょうぎをーーーーー
 とくとごらんくださーーーーい。」

アイリ、リオウを的に離れる。
リィナ、占いの手を休めリオウの元へ。
リィナ

「ごめんなさいね。
 動いちゃダメですよ。
 あの娘、最近調子悪いから・・・

 でも心配しなくてもいいですよ、
 良い傷薬をもってますから。」

リィナ、リオウから離れ机の横に控える。
ボルガン、リオウの頭上にスイカを置く。
アイリ、ナイフを構える。
アイリ
「いくよ!」
リオウ
「動かない」 ←
アイリの投げたナイフが見事スイカに命中する。
観衆から拍手。
ボルガン、次はカボチャを置く。
リオウ
「動かない」 ←
「ちょっと右へ」
「ちょっと左へ」 
アイリの投げたナイフ、見事命中。
観衆から拍手。
ボルガン、次はバナナを置く。
リオウ
「動かない」 ←
「ちょっと右へ」
「ちょっと左へ」 
アイリの投げたナイフ、見事命中。
観衆から拍手。
ボルガン、次はみかんを置く。
観衆がざわめき、ジョウイが焦り飛び上がる。
リオウ
「動かない」 ←
「ちょっと右へ」
「ちょっと左へ」 
アイリの投げたナイフ、見事命中。
観衆から大きな拍手。
ボルガン、飛び上がって観衆を見渡す。
ボルガン

「はーーーい、はくしゅ、はくしゅーーー、
 はーーーい、お代はこちらにーーーーー

 あ、きみもてつだって、てつだってーーー」

ボルガン、ジョウイの元へ。
ジョウイ、焦りながら周囲を見回し、ボルガンへと向き直る。
ジョウイ
「え、ぼ、ぼく?」
「ちょっと右へ」 ←
「ちょっと左へ」 ←
リオウ、ちょっと動く。
アイリ
「あっ!」
アイリの投げたナイフがリオウへと刺さる。
暗転。
──観衆のいなくなった広場
一座とジョウイ、リオウを囲み様子を伺っている。
アイリ、心配そうにしゃがみ込んでいる。
リオウ、気付き目を覚まし立ち上がる。
アイリ、それを見て安心したように同じく立ち上がる。
アイリ
「だいじょうぶかい?
 うごくもんだから・・・・すまないね。」
ジョウイ
「よかった・・・だいじょうぶだな、
 リオウ。」
ボルガン、飛び上がって喜ぶ。
ボルガン
「よかったぁ。
 だいじょうぶ。」
暗転。
リィナ
「あなたたち、手伝ってくれてありがとう。
 わたしたちは旅の一団で、
 わたしがリィナ・・・・」
アイリ
「わたしはアイリ、
 わたしたちは姉妹であっちがアネキ。」
ボルガン、飛び上がって叫ぶ。
ボルガン
「ボルガンだぁ!」
ジョウイ
「ぼくはジョウイ。
 こっちは友達のリオウです。
 ぼくらは、ハイランドのキャロという街を
 めざしている旅の途中で・・・」
リィナ
「あら、わたしたちも同じですわ。
 このあたりの村はほとんどまわりましたから、
 そろそろ次の土地を目指すことになるのですが、
 ただちょっと・・・・」
アイリ、飛び上がって抗議。
アイリ
「だから大丈夫だって言ってるじゃない。
 うわさの霧の怪物が出たって、
 わたしがいればなんとかなるよ。」
ジョウイ
「霧の怪物というのは?」
リィナ

「ハイランドに入るには、
 この村から北へ行ったところにある
 燕北の峠をこえなければなりません。

 しかし、うわさでは凶悪な怪物が住み着いて
 通れなくなっているようで、こまっていたのです。

 あなたたちもハイランドに行くのでしたら、
 ごいっしょするというのはいかがかしら?」

ジョウイ
「そうですね。ぼくはかまわないけど、
 リオウはどうだい?」
リオウ
「もちろんOKだよ」 ←
リィナ
「ありがとう。
 これで安心して峠をこせますね。」
アイリ
「それじゃあ、しばらくよろしく。
 リオウ、ジョウイ。」
ボルガン、飛び上がって喜ぶ。
ボルガン
「よろしくぅ。」
「こんな素敵なお嬢さんとごいっしょできるとは」 ←
リィナ
「あら、お上手ですね。」
ジョウイ、焦ってリオウへと向き直る。
ジョウイ
「・・・・・・・・・・・・・・・」
アイリ
「それじゃあ、しばらくよろしく。
 リオウ、ジョウイ。」
ボルガン、飛び上がって喜ぶ。
ボルガン
「よろしくぅ。」
「ダメ!」 ←
ジョウイ
「そうか・・・・・
 すいません。
 リオウが、ああ言っているから。」
リィナ
「あら、そうですか。残念ね。
 われわれはもうしばらくここにいますので
 気が変わったら、またいらっしゃって下さいね。」
リオウ、気を取り直して話しかける。
リィナ
「リオウさん。
 いっしょに行っていただけるのですか?」
リオウ
「うん」 ←
リィナ
「ありがとうございます。
 これで、安心して峠をこせます。」
アイリ
「リオウ、ジョウイ、
 しばらく、よろしくな。」
ボルガン、飛び上がって喜ぶ。
ボルガン
「よろしくなぁ。」
「だめだよ」 ←
ジョウイ
「ごめんなさい。
 リオウが、ああ言ってますから。」
リィナ
「それはざんねんね。
 気が向いたら、いらっしゃって下さいね。」
リオウ、気を取り直して話しかける。
アイリ
「どうしたんだい?
 気が変わったのかい?」
リオウ
「うん」
「だめだよ」 ←
ジョウイ
「ごめんなさい。
 リオウが、ああ言ってますから。」
アイリ
「なんだよ、ちぇっ。
 じゃあ、気が向いたら来てくれよ、
 リオウ、ジョウイ。」
リオウ、気を取り直して話しかける。
ボルガン
「リオウ、ジョウイ、
 いっしょに行ってくれる?」
リオウ
「うん」
「だめだよ」 ←
ジョウイ
「ごめんなさい。
 リオウが、ああ言ってますから。」
ボルガン
「そうか・・・・
 ざんねん、ざんねん。」
──道具屋 前
ミリー
「ボナパルト・・・・どこぉ・・・・・・
 こんなに心配してるのにぃ・・・・・」
一同、燕北の峠へ。