幻想水滸伝2 台詞集 第一章
キャロの街
- ジョウイ、リオウへと向き直る。
- ジョウイ
- 「やっともどってきたな、
リオウ。」 - アイリ、きょろきょろと街を見渡す。
- アイリ
- 「へぇーー、ここがあんたたちの街かい。
けっこう栄えてるんだね。」 - リィナ
- 「では、ここでおわかれですね。
道中、楽しかったです。」 - アイリ
- 「そうだ、あんたたち、
家はどこにあるんだい。
またこの街によったら、顔を見に行ってやるよ。」 - ジョウイ
- 「あ?・・・ぼくの家は、北のつきあたり
リオウの家は西のはずれ、
そこの道を左に行った所さ。
道場だからすぐわかるよ。」 - アイリ
- 「そうかい。じゃあまたな。」
- ボルガン、一歩前へ。
- ボルガン
- 「それじゃぁバイバイ。」
- 旅の一座、街を出て去って行く。
- アイリ、一瞬振り返ろうとして──やはりそのまま去って行く。
- ジョウイ、リオウへと向き直る。
- ジョウイ
-
「リオウ・・・・・
あの都市同盟の傭兵隊長が
言っていたことは気になるが
ぼくは家にもどってみる。ナナミも心配しているはずだから、
きみもはやく家にもどってみたほうがいい。でも、気をつけてな。
じゃあ、また後で・・・」 - ジョウイ、自宅へと向かう。
- ──宿屋
- 店主
- 「いらっしゃ・・・・・・・・
リオウ・・・・どうして、
ここにいるんだ?ナナミちゃんをつれて、
早く逃げたほうがいいぞ・・・・・」 - 給仕の女性
-
「ごめんなさいね・・・
みんないきり立っていて・・
!!あ・・・あなた・・
リオウちゃんじゃないの・・・
何してるの・・・・
早くお逃げなさい・・・・・・・・」 - 給仕の女性2
- 「言ったでしょ・・・・
あなた・・・おたずね者になってるのよ・・・・・
はやく逃げるのよ・・・・・・・・」 - ──宿屋 二階
- コボルトの男性
-
「わたしは、旅をしながらあちこちで
むかし話をあつめているんです。それで、この街にむかしの英雄がいるって
聞いてきたんですが・・・・
誰に聞いても、何にも教えてくれないんですよ。」 - ──宿屋 横
- 少年
- 「へ!!リオウ!!!!
裏切り者の子供は裏切り者だな!!!
父ちゃんが、そう言ってたぜ!!!!
こんな所でうろうろしていていいのか?」 - ──民家 前
- 女性A
- 「あら、あなた見たことがあるような・・・・
この街の子でしょ?」 - 女性B
-
「ねぇ、あなた知ってます?
あのアトレイド家のぼっちゃん。
軍隊に入っていたんだけど、なんでも
敵のスパイをやっていたって・・・・・どうしてかねぇ・・・・・・
何不自由ないくらしが
できるっていうのに・・・・」 - 女性A
- 「なんでも、あの街はずれの道場の
子供がそそのかしたって話よ。」 - 女性A&B
- 「あーーー、こわいこわい。」
- ──民家
- パターン1
-
- 男性
-
「なんだ、何か・・・・・
おまえはリオウ!!!!!!!
この裏切り者め!!!!
おまえのせいでおれの息子は・・・・とっつかまえて、つきだしてやる!!!」
- リオウ、慌てて逃げ出す。
- パターン2
-
- 女性
- 「きゃーーーーーーーーー!!!!
ど、どうして、あんたがここにいるの!!!」 - 男性
- 「お、おまえはリオウ!!!!
待て!!!!!!」 - リオウ、慌てて逃げ出す。
- ──民家 二階
- 女性
- 「こんにちは。
あれ?きみはリオウくんじゃない。
無事にもどって来たのね。」 - おばあさん
- 「はいよ?用かい?
あれれ?あんたはゲンカクさん家の・・・」 - ──ラウドの家
- 少女
-
「あ・・・お兄ちゃん?
あれ・・・・ちがうの????
あ、この感じはリオウさんね。ね、聞いてリオウさん。
わたしの目ね、治るって。お兄ちゃんがえらくなって、
たくさんお金がもらえるから
トラン共和国にいるエラいお医者さんの所で、
治してもらえるって。ふふ、楽しみだなぁ。
目が治ったら、リオウさんの顔も
よく見せてね。わたし、
リオウさんてハンサムだと思うな。」 - 少女2
- 「うふふふ、楽しみだなぁ・・・・・」
- ──道具屋
- 店主
- 「いらっしゃ・・・・・・・・
リオウ・・・・どうして、
ここにいるんだ?ナナミちゃんをつれて、
早く逃げたほうがいいぞ・・・・・」 - 店主2
- 「ほら、早く買い物をしませて
すぐ逃げるんだぞ・・・・・・・・・・・」 - ──道具屋 二階
- 女性
-
「リオウ!!!
どうして、もどってきたの!!!
あなた、おたずね者なのよ!!!!!わたしは、あんたがスパイだなんて
思えないけど、みんなはつかまえたら
しばり首にしてやるって言ってるわ。ナナミちゃんは、家にいるはずよ。
早く行ってあげなさい。」 - ──道具屋 横
- 少年
- 「あ!!!おまえはリオウ!!!!
やっぱり、もどってきやがった!!!!!
こうしちゃ、いられない!!!!」 - 少年、駆け去って行く。
- ──ゲンカクの道場 奥
- ナナミ、ゲンカクの墓の前で拝んでいる。
- ナナミ、リオウに気付き慌てて立ち上がるも、勢い付きすぎて大げさに地面に伏してしまう。
- ナナミ
- 「あ!あ!あああああああ!!!!!
リオウ!!!!!!」 - リオウ
- 「帰ったよ」
「ただいま」 ← - リオウ、ナナミへと一歩踏み出す。
- ナナミ、リオウへと駆け押し倒し、胸倉を掴み振り回す。
- ナナミ
- 「だいじょうぶ?だいじょうぶ?
ケガはなかった?今までどこにいたの?
隊が全滅したって本当?
ね?ね?ね?」 - ナナミ、掴む手を離す。
- リオウ、勢いのまま頭を地に打ち付ける。
- ナナミ、リオウに圧し掛かったまま安心したように息を吐く。
- ナナミ
- 「よかった、よかったぁ、
お姉ちゃん、とっても、とっても
心配したんだから。」 - リオウ、頭を押さえながら起き上がる。
- ナナミ、膝付いてリオウを覗き込む。
- ナナミ
- 「本当にだいじょうぶ?
途中で変なもの食べてない?」 - ナナミ、リオウの胸倉を掴み揺する。
- ナナミ
- 「ね?ね?都市同盟のスパイがいたって本当?
それで隊が奇襲を受けたって聞いたけど?」 - ナナミ、リオウの胸倉から手を離し、人差し指を振りながら考え込む。
- ナナミ
- 「なんでも二人組の少年だって
でも、あちこちに立て札がでてるから
すぐつかまるよね。」 - ナナミ、リオウの膝に手を置き覗き込む。
- ナナミ
-
「あ!そうそう、ジョウイは?
ジョウイは無事なの?
ね?ね?ね?無事?」
- リオウ、安心させるように頷く。
- ナナミ、目を閉じ安堵する。
- ナナミ
- 「そう・・・・よかったぁ。
じゃあ二人で帰ってきたんだね。」 - ナナミ、何かに気付いたように身を起こす。
- ナナミ
- 「二人?・・・・・・・・・・・・」
- ナナミ
- 「!」
- ナナミ、リオウを押し倒し胸倉を掴み揺する。
- ナナミとリオウ、身を起こし膝を付き合わせしゃがみこむ。
- ナナミ
- 「えーーーーーーーー!!うそうそ。
リオウとジョウイが
スパイなわけないよね。
ね、ね、ね、そうだよね。」 - ナナミ、人差し指を揺らしながら。
- ナナミ
- 「あ・・・でも、この間ラウド隊長が来て
リオウが帰ったられんらくしろって
言ってたから・・・・・・」 - ナナミ、立ち上がる。
- ナナミ
- 「逃げよう!リオウ」
- リオウ、差し出された手を取り立ち上がる。
- ナナミ
- 「だいじょうぶ、
リオウが何をしたって
このわたしだけは味方だからね!」 - ナナミ、リオウに向き直る。
- ナナミ
- 「さぁ行くよ!!」
- ナナミ、リオウを引きずり歩き出す。
- ナナミ、道場へと入るところで気付いたように勢いよく振り返る。
- リオウ、反動で後ろの岩場へと身体を打ち付ける。
- リオウ、岩場に身体の凹み跡を残しながらずり落ちる。
- ナナミ
- 「あ!
ちょっと待って。」 - リオウ、頭を左右に振りながら起き上がる。
- ナナミ、リオウを引きずり戻る。
- ナナミ
- 「忘れ物、忘れ物、こっちこっち!
リオウ!」 - ナナミとリオウ、ゲンカクの墓の前に立つ。
- ナナミ
- 「ほら、ほら、
ゲンカクじいちゃんにさよなら言わないと。」 - リオウ、しゃがみ込み手を合わせる。
- ナナミ
-
「うん。
じゃあ、わたしも。」
- ナナミ、しゃがみ込み手を合わせる。
- ナナミ
- 「ゲンカクじいちゃん、
もうここには戻ってこれないかもしれないけど、
リオウとわたしのこと、
目いっぱい守ってね。おねがいよ。」 - ナナミ、立ち上がる。
- ナナミ
- 「うん。これでよし。
さあ、行こう!!!」 - リオウ、立ち上がりナナミへと向き直る。
- ──道場 中央
- 壷が三種ある。
- ナナミ
- 「あ、そうだ!
このつぼをどれか一つ持っていこうよ!
たぶん、高くうれるわよ!!
逃亡資金ね。」 - リオウ
- 「大きいつぼを持っていく」
「ふつうのつぼを持っていく」 ←
「小さいつぼを持っていく」 - [ ?つぼを手に入れた ]
- ナナミ
- 「うん、じゃあこれね!
残りは重いから
おいていくね。」 - ──道場 入り口
- リオウ、気付いたように立ち止まる。
- 兵士らが行く手を阻んでいる。
- ナナミ
- 「え!え!え!
うそ、うそ、うそ。」 - 兵士の一人、一歩前へ。
- 王国軍兵士
- 「リオウだな。
おまえを都市同盟のスパイとして
捕らえる。
おとなしくするんだ。」 - ナナミ、飛び上がって抗議。
- ナナミ
-
「だめ!つかまったりしないもん。
リオウ、かまえて。
じいちゃんの教え通りにやったら
負けるはずないよ。」 - ナナミ、三節棍を構える。
- リオウ、トンファーを回転させ構える。
- 戦闘開始。
- ナナミ、膝を付き荒く息を吐いている。
- ナナミ
-
「ハァ、ハァ、ハァ、
リオウ!!
ハァ、ハァ、息があがってるんじゃない?
トレーニングさぼっちゃだめよ。」 - そこへ、ラウドが現れる。
- ナナミ、気付いて立ち上がる。
- ラウド
- 「ひさしぶりだリオウ。
あまりてこずらせないでくれないかな、
隊長と部下のよしみで。」 - リオウ
- 「隊長・・・・なぜ・・・・・」 ←
- ラウド
-
「いろいろとあるんだよ。
大人の世界はな。おい、連れて行け!!」
- リオウとナナミ、王国兵に囲まれる。
- ナナミ
- 「えーーーー、やだ、やだ、やだ
はなしてーーー、
きたない手でさわらないでーーー」
- 「いやだ!!!」 ←
- ラウド
- 「しかたないな。
少々、あらっぽいぞ!!」 - 戦闘開始。
- ラウド
-
「てこずらせるなと言ったはずだ。
おい、連れて行け!!」
- リオウとナナミ、王国兵に囲まれる。
- 暗転。
- ──アトレイド家
- ジョウイ、父へと一歩踏み出す。
- ジョウイ
-
「それでは・・・
それでは、このぼくを
信用してはくれないんですね・・・・・・」 - マルセル
- 「そうだ。おまえは不肖の息子だったが、
それも今日かぎりだ。
おまえは、もはやアトレイド家の人間ではない。」 - ジョウイ、一歩踏み出すも兵士に阻まれる。
- ジョウイ
- 「なぜ・・・・なぜぼくを・・・・
信じてはくれないのですか・・・・・・・
ぼくは・・あなたたちの家族ではないのですか・・
それとも・・この身に流れる血が・・・・・・」 - マルセル
- 「見苦しいぞ、ジョウイ。
罪にその手をそめた者を、
アトレイド家の人間として
認めるわけにはいかない。」 - ジョウイ、後ずさる。
- ジョウイ
- 「・・・・・・・・・・・・・・」
- 兵士、ジョウイを囲む。
- 王国軍兵士
- 「さあ、来るんだ。」
- ジョウイ、拘束から逃れようと身を捩る。
- マルコ
- 「さよなら、兄さん。
いや、もう兄さんじゃなかったんだ、
ジョウイさん。」 - ジョウイ
- 「おねがいです!!
母さんに・・・これが最後でいい!!
母さんに会わせてください!」 - マルセル
- 「ローザは、おまえに会いたくないと
言っていたよ・・・・・」 - ジョウイ
-
「うそだ・・・・
うそだ!!
やめろ!!はなせ!!!!
母さんに・・・・」 - ジョウイ、抵抗も空しく王国兵に連れられて行く。
- 暗転。
- ──牢屋
- リオウとナナミが居る牢に、ジョウイも入れられる。
- リオウとナナミ、ジョウイの元へ。
- ジョウイ
- 「っつ・・・
リオウ、ナナミ・・・
そっちもつかまったのか?」 - ナナミ
- 「がんばったんだけどね・・・・・
でも、どうしてスパイだなんてことに
なっちゃったの?」 - ナナミ、リオウへと向き直る。
- そこへラウドの声が。
- ラウド
- 「教えてやるよ。」
- ラウド、牢の前へ。
- ジョウイ
- 「隊長・・・・・・・・」
- ラウド
- 「しかし、あの急流にのまれて
よく生きていたもんだな。」 - ジョウイ、一歩前へ。
- ジョウイ
- 「なぜ、ぼくたちを・・・・
都市同盟の奇襲というのは・・・・・
それにあの男は?」 - ラウド
- 「すまんな、リオウ、ジョウイ。
あの方・・・・ハイランド王国の皇子
ルカ・ブライトさまには、大きな野望があるのさ。
それにな、おれにもちょっとした野望がある。」 - ナナミ
- 「皇子さま??」
- ジョウイ
- 「王家の人間がなぜ・・・・」
- ラウド
-
「ルカさまの野望のために
生けにえが必要だったんだよ。都市同盟の奇襲によって、
少年兵でつくられた王国の部隊が全滅。
この知らせは、王国の民の怒りをあおるのに
じゅうぶんだったわけさ。どうだい、おじょうちゃん、
都市同盟ってのは
ひどいやつらだと思わないか?」 - ナナミ
-
「そ、そりゃぁ・・・・・
リオウやジョウイが都市同盟に、
って思ったらゆるせないと思うけど・・・・でも・・・それは知らなかったから・・・・」
- ラウド
-
「その通りさ。
バレなきゃウソも真実になる。ルカさまが目的をはたすためには、
戦乱が必要なんだ。そして、おれにも大きな目的がある。
こんないなかの少年兵の隊長じゃなく、
もっと金の入る地位という目的がな。そのためには、おまえらには
にくむべきスパイとして死んで
もらわなければならん。
本当のことは、そのむねにしまったままな。」 - ナナミ
- 「そんな、そんな、
そんなバカなことってないよ!」 - ジョウイ、一歩前へ。
- ジョウイ
- 「そんな・・・・そんなことのために、
仲間を・・・・みんなの命をうばって・・・・・」 - ジョウイ、後ずさる。
- ラウド
-
「すまんな・・・・・・
今のおれにはそれしか言えんよ。さぁ、そろそろ時間だ。」
- 王国軍兵士
- 「ラウド隊長。
準備が全てととのいました。」 - ラウド
- 「じゃあな、お二人さん。
めんどうな裁判はサービスしといてやるよ。
そっちのおじょうちゃんも、
日取りがちがうとはいえ、いずれ同じ運命だ。」 - ジョウイ
- 「・・・・・・ちくしょう・・・・
・・・ゆるせない・・・・・・・・」 - 暗転。
- リオウとジョウイ、後ろ手に縛られ兵士に囲まれ街中を歩いている。
- 向かいから王家の馬車がやって来る。
- ジル、馬車から顔を覗かせる。
- ジル
- 「なんのさわぎですか?あれは。」
- 御者
- 「なんでも、都市同盟のスパイが
つかまったとかで、これから
しょけい場へ引き立てられるようです。」 - ジル
- 「そう。」
- リオウとジョウイ、兵士に囲まれ再び歩き出す。
- 兵士ら、ジルへと敬礼。
- ジル、捕らわれている二人を覗き込む。
- ジル
-
「まだ・・・子供じゃない・・・・
なにゆえにスパイなど・・・・・・・」
- リオウ
- 「ぼくは無実だ!」 ←
- 御者
- 「なにを言うか!!
このうすぎたない裏切り者が!
おまえらのせいで、どれだけの命が・・・・」 - ジル、御者へと向き直り制する。
- ジル
- 「おやめなさい。」
- 御者
- 「皇女さま・・・・」
- 「・・・・・・・・・・・・・・」 ←
- ジョウイ
- 「・・・・・・・・・
・・・あなたにそれを問う権利があるのですか?」 - 御者
- 「貴様、この方はブライト王家の
ジル皇女さま・・・」 - ジル、御者へと向き直り制する。
- ジル
- 「やめなさい。」
- ジョウイ
-
「皇女?
では、おぼえておいて下さい・・・
ぼくとリオウは、
この国をうらぎってなどはいません。この国がぼくらをうらぎったんです。
そのことをぼくはゆるさない。
決して・・・・・」 - 御者
- 「なんてことを!!
きさま!!!誰にむかって言っていると・・・」 - ジル、御者へと向き直り制する。
- ジル
- 「いいのよ。行かせてあげなさい。
どうせ、あとしばらくの命なのでしょう・・・」 - ジル、馬車内へと居住まいを正す。
- 御者、白馬に鞭打ち馬車を進ませる。
- 暗転。
- ──処刑場
- 夕日射す中、首に縄を掛けられたリオウとジョウイが兵士に鞭打たれている。
- ラウド
-
「ほこりたかきハイランド王国軍、ユニコーン隊に
ありながら、いやしい都市同盟に通じ、
栄光ある我が軍の名に泥をぬった二人の
しょけいをはじめる。言い残すことはあるか?」
- リオウ
- 「そんなものはないよ」 ←
「・・・・・・・キザ」 - ジョウイ
- 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
- ラウド
-
「そうか、そうか。
かんねんしたか。ん?見てみな夕日だ。
あれがおまえたちには最後の夕日さ。」 - ラウド、夕日へと目を向ける。
- ラウド
-
「まあ、おれにとっちゃあ、
なんのへんてつもない夕日だ。この日をさかいに出世街道まっしぐらかと思うと
感じるものはあるがな。まったくどういうわけだか、こんないなか町の
ガキばっかりの部隊の子守り役。
我が身の不幸をなげいたが、
神様ってのはいるんだな。これを足がかりにしてあとは
トントンびょうしに出世して
ゆくゆくは近衛隊長あたりの
地位をつかんで・・・・・・ん?」
- ラウドが気付いて周囲を見回すと、兵士らが全員倒れ伏している。
- 処刑台の上にフリックの姿が。
- フリック
- 「ざんねんだが、出世街道はあきらめな。」
- フリック、一閃二閃しリオウとジョウイの縄を切る。
- ラウド
- 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
- ラウドの背後からビクトールが現れる。
- ビクトール
-
「へっへっへっへ、やっと追いついたぜ。
正義の味方、
ただいま参上ってところかぁ?まったく、勝手に出て行きやがって、
おどろいたぜ。」 - ラウド、ビクトールへと向き直り後ずさる。
- ジョウイ
- 「なぜ・・・・」
- ラウド、ジョウイへと向き直る。
- ビクトール
- 「あーーーーん?言いっこなしだぜ。
おまえらは、おれがつかまえたほりょだからな、
そうかんたんに命をおとしてもらっちゃこまる。」 - ラウド、ビクトールへと向き直る。
- フリック
- 「こいつは、おせっかいなんだよ。」
- ラウド、フリックへと向き直り後ずさる。
- ビクトール
- 「まぁな。
ポールのやつにも泣き付かれたからな。」 - ラウド、逃げ出す。
- ビクトール
- 「あ!待ちやがれ!!」
- ビクトール、慌てて後を追うもまんまと逃げられてしまう。
- ビクトール
- 「ちきしょう逃げられた。
こっちも早いところずらかるぞ。」 - ジョウイ
- 「ま、待ってください。
ナナミが・・・・友達が
牢につかまっているんです。
見すてては行けません。」 - リオウ
- 「ナナミをたすけに行こう」 ←
- ジョウイ、リオウへと向き直る。
- ジョウイ
- 「とうぜんだリオウ。」
- ビクトール
- 「なーーるほど。
面白そうだ。
最近、身体がなまりぎみだからな。」 - フリック
- 「しかたないヤツだな。
やっかいごとに、はなをつっこむのは、
おまえの悪いクセだぜ。」 - 暗転。
- ──王国軍敷地 前
- ビクトール
- 「ようし、フリック、ジョウイ、
リオウ、
いくぞ!!」 - フリック
- 「おまえが仕切るなよ。」
- 一同、中へ。
- ナナミ、兵士らに行く手を遮られている。
- ナナミ、飛び上がって叫ぶ。
- ナナミ
- 「もう!どけ!どけ!どっけーーー!!
急いでるんだからぁ!!
リオウとジョウイを
助けるんだぁ!!!」 - ナナミ、兵士らを一撃の下に倒し、駆けて行く。
- 一同、引き攣りながら様子を見守る。
- ナナミ、更に行く手を阻む兵士へと叫ぶ。
- ナナミ
- 「もぉぉ、おこった!!
ゲンカクじいちゃん直伝!
奥義!花鳥風月百花繚乱竜虎万歳拳を
くらわすわよ!!」 - ナナミ、三節棍を構える。
- 王国軍兵士
- 「な、なんだそりゃ・・・・
ま、待て・・・・・・・・・・・・
ひ、ひぃーーーーー」 - 兵士ら、慌てて逃げ出す。
- ナナミ、構えを解く。
- ナナミ
- 「よーーし、
待っててリオウ、ジョウイ、
いますぐ助けにいくからね。」 - ナナミ、逃げ出す兵士らを追い掛ける。
- 一同の前を駆け去ったあと、後ろ歩きで戻りリオウの元へ。
- ナナミ
- 「ちょっと、ちょっと、ちょっと、
リオウとジョウイ、
ここで何してるの??
しょけい場へ行ったんじゃないの??」 - ジョウイ
- 「助けに・・・いちおう・・・・・」
- ナナミ
- 「あれ?あれ?ぐうぜんだね。
わたしもリオウたちを
助けに行くところだったんだよ。」 - ジョウイ
- 「ところで、さっきの奥義って・・・・」
- ナナミ、慌てる。
- ナナミ
-
「え???
あ! 気にしない、気にしない。それより、逃げるんでしょう。」
- 「早く逃げよう」 ←
- ジョウイ、リオウへと向き直る。
- ジョウイ
- 「ちょ、ちょっと待てよリオウ、
ナナミをおいていくのかい?」 - リオウ
- 「ナナミをたすけに行こう」
「早く逃げよう」 ← - ジョウイ
- 「そんな・・・ナナミはきみの義姉じゃないか。
じょうだんだろリオウ。」 - リオウ
- 「ナナミをたすけに行こう」
「早く逃げよう」 ← - ジョウイ
- 「わかったよ・・・・
・・・・・・行こう・・・・」 - 暗転。
- ──ラウドの家
- 少女
- 「あ・・・・リオウさんと・・・・・
ジョウイさんね・・・・・・・・・・・・
お兄ちゃんは、まだもどってこれないの?」 - ──民家 前
- 女性A
- 「あら、あなたたち・・・・
どこかで、見おぼえが・・・・・・・
この街の子?」 - 女性B
-
「ねぇ!!!あなた、聞いた?
れいのアトレイド家のぼっちゃんが
つかまったそうよ。
なんでも、父親につきだされたとかで・・・・でも、しかたないわよね・・・・・
スパイなんかして・・・・
それに、実の子じゃないって
ウワサもあるし・・・」 - 女性A&B
- 「きゃーーー、
こわい、こわい・・・」 - ──出口
- ナナミ、立ち止まり一同を制する。
- ナナミ
- 「ね、ちょっと待って。」
- ナナミ、街を振り返る。
- ナナミ
- 「リオウ、ジョウイ・・・・
わたしたち、もう一度、
ここにもどってこれるのかなぁ・・・」 - ジョウイ
- 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
- リオウ
- 「いつかは戻ってこれるさ」 ←
- ナナミ
- 「そっか、そうだよね。
じゃ、ちょっとだけサヨナラってことだね。」
- 「戻る気はない」 ←
- ナナミ
-
「そっか、そうだよね。
どこにいたって、わたしはナナミだし、
リオウはリオウだし、
ジョウイはジョウイだからね。でも・・・ちょっとだけさびしいな。」
- ビクトール
- 「おい、しめっぽくしてないで
行くぞ!!!」 - 一同、傭兵隊の砦へ。