幻想水滸伝2 台詞集 第一章

傭兵隊の砦5

──入り口
ピリカ、一同を出迎える。
ピリカ
「あ、もどってきた、わーーーい。
 ジョウイおにいちゃん、
 リオウおにいちゃん。」
ジョウイ
「ピリカ・・・」
ピリカ

「あのね、くまみたいな人が
 おにいちゃんたちのことを心配してたよ。
 でもね、ピリカは知ってたよ。
 ちゃんと帰って来るって。

 早く、行こう・・・ね。」

──二階 広間
ビクトール
「ぶじにもどったか
 リオウ、ジョウイ。」
フリック
「リューベの村がおそわれたと聞いたから、
 心配してたんだぜ。」
ビクトール
「で、そっちがツァイさんかい?」
ツァイ、一歩前へ。
ツァイ
「ツァイと申します。お見知りおきを。
 “火炎槍”のしゅうり、
 うけおわせてもらいましょう。
 時間がないようですので、さっそく。」
ビクトール

「ありがたい、さっそくたのむ。
 リオウ、ジョウイ、ごくろうさん。

 おまえたちはここまででいい・・・・・・・
 すぐに支度をして逃げるんだ。
 ミューズ市に行くといい。

 これは、おまえたちには関係のない戦いだからな。
 ツァイのことだけで、じゅうぶんさ。」

リオウ
「わかりました」 ←
ビクトール
「もうこのあたりは安全とは言えない。
 気をつけて行けよ。
 本当にたすかったぜ。」
暗転。
ビクトール
「どうした?
 なんか用か?」
リオウ
「ぼくもいっしょに戦う」
「忘れ物を取りに来ました」 ←
ビクトール
「あまり時間があるとは思えねぇ。
 のんびりしすぎるなよ。」
フリック
「気をつけていけよ。
 王国軍のやつら、子供だからといって
 見逃してはくれないからな。」
アップル
「力をかしてくれてありがとう。
 気をつけてください。」
リオウら、ミューズ市へと逃げる。
──砦 入り口
ジョウイ

「リオウ・・・、
 ぼくたちは・・・・このままでいいのか?
 きみも・・・・見ただろう、あの村でのこと・・・

 ぼくたちのいたユニコーン隊のみんなも、
 けっきょくはルカ・ブライトのせいで
 命をおとした・・・・

 ぼくは・・・・戦いたい・・・・・
 たとえ非力でも・・・少しでも・・・・・
 リオウ・・・・ぼくは・・・」

──トトの村 橋
ジョウイ

「リオウ・・・・・・・・・

 もどろう・・・・・
 ぼくは・・・ぼくは・・
 やっぱり、逃げるなんて出来ないよ。

 もどって、ルカ・ブライトと戦おう。
 ほんの少しでも・・・死んだみんなのために・・・

 リオウ・・・・
 本当はきみもそうなんだろう?
 なぁ・・・リオウ。」

リオウ
「もどろう・・・ジョウイ」 ←
ジョウイ

「ありがとう・・・・リオウ。
 きみのことはぼくが守る。
 だから、いっしょに戦ってくれるね。」

「逃げた方がいい」 ←
ジョウイ

「このトトの村、そしてリューベの村、
 あんなことが、これ以上くり返されるのは
 たえられない。

 ちがうのかい・・・・リオウ?」

リオウ
「もどろう・・・ジョウイ」
「逃げた方がいい」 ←
ジョウイ、首を振る。
ジョウイ

「だめだ・・・だめだよリオウ。
 きみはルカがこわいのかい?

 ぼくは・・・・・ぼくはルカがこわい。
 でも、こわがって、逃げたって、
 目をそらして、みみをふさいだって、
 なくなるわけじゃないんだ。

 リオウ・・・・もどろう。
 ぼくらは非力かもしれないけど・・・・・
 それでも・・・・・」

リオウ
「もどろう・・・ジョウイ」
「逃げた方がいい」 ←
ジョウイ、リオウへと詰め寄る。
ジョウイ

「おねがいだ・・・・・リオウ。
 ぼくと・・・・
 ぼくといっしょにもどってくれ・・・・
 きみは・・・ぼくの親友だ・・・・・

 いや・・・・少なくともぼくはそう思っている・・
 だから、きみが逃げ出す姿を
 みたくないんだ・・・・・・・
 おねがいだ・・・・・もどろう。」

リオウ
「もどろう・・・ジョウイ」
「逃げた方がいい」 ←
──以下ループ──
リオウら、砦へと引き返す。
──傭兵隊の砦 二階 広間
ビクトール
「どうしたんだ リオウ、ジョウイ!
 ミューズへ逃げたんじゃないのか?」
リオウ
「ぼくもいっしょに戦う」
「忘れ物を取りに来ました」 ←
──以下ループ──
「ぼくもいっしょに戦う」 ←
ビクトール
「おまえらが?
 気持ちはありがたいが・・・・・・」
フリック、ビクトールへと向き直る。
フリック

「おれがためしてやろう。
 足手まといはいらないからな。

 リオウ、おまえがおれに手傷でも
 おわせられたら、腕前をみとめてやる。
 それでどうだ?」

リオウ
「わかりました」 ←
フリック
「ようし、いくぜ。」
「やっぱりやめます」 ←
フリック
「ああ、そうしときな。
 子供のでるまくじゃない。」
暗転。
──一騎打ち
フリック
「さて、どうしたものか。」
リオウ
「こうげき」 ←
「ぼうぎょ」
「すてみのこうげき」
フリック
「ほら、もう一回どうだ?」
リオウ
「こうげき」 ←
「ぼうぎょ」
「すてみのこうげき」
暗転。
フリック
「ふーーん、やるじゃないか。
 おいビクトール、
 こいつの腕はおれがほしょうするぜ。」
ビクトール
「フリック、おまえ腕がおちてるんじゃねぇか?」
フリック、ビクトールに詰め寄る。
フリック
「なんだと!」
ビクトール
「はっはっはっはっは、
 より、リオウ、ジョウイ、
 おまえらにも部隊を一つ任せることにする。
 隊の名前を考えておけよ。」
リオウ、フリックらに話し掛ける。
フリック
「戦いになったら、おれたちからはなれるなよ。
 今の一騎打ちみたいに、
 敵は手かげんしてくれないからな。」
ビクトール
「フリックのやつ、手かげんしやがって。
 まぁ、やくそくだからな。
 がんばれよ。」
アップル
「あなたたちにも、
 部隊をまかせることになります。
 がんばって・・・下さいね。」
──二階 広間前
ジョウイ
「リオウ・・・・・がんばろうな。」
──地階 一室
ジョウイ

「リオウ・・・隊の名前はどうする?

 ・・・・・ドラゴン隊、オレンジ隊、
 スカーレティシア隊、
 リオウ・アンド・ジョウイ隊、

 うーーん、どうしようか?
 リオウ、
 きみはどんな名前が良いと思う?」

リオウ
「○○隊」 ←
ジョウイ

「うーーーん、○○隊か・・・・・
 よし、それにしよう!
 オレンジ隊でもよかったけど・・・・
 そいつに決まりだ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・リオウ」

「オレンジ隊」 ←
ジョウイ

「うん、そうだよな。
 やっぱりオレンジ隊がいいよな。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・リオウ」

ジョウイ、リオウに背を向ける。
ジョウイ
「・・・・・これで良かったんだよな、
 リオウ。」
ジョウイ、リオウへと向き直る。
暗転。
ポール
「王国軍のやつらがあらわれたぞ!!!!
 みんな、広場に集まれ!!!!」
──地階 一室
ジョウイ、部屋へと入って来る。
ジョウイ
「聞いたかい?
 とうとう、来たらしい。」
リオウ、ベッドから起き上がり広場へと向かう。
──広場
ビクトール
「おまえらぁ!よく聞けぇ!!!
 見はりから入った報告じゃあ、王国軍がこの砦に
 むかっているらしい。
 数刻もせずに、やつら襲ってくるぞ。」
アップル、一歩前へ。
アップル
「敵の道すじにいくつかワナをしかけました。
 これで多少の被害はあたえられるはずです。」
アップル、下がる。
ツァイ
「火炎槍もなんとか間に合いました。
 てつ夜で手伝ってくれた
 みなに礼を言います。」
フリック、数歩前へ。
フリック

「この砦が落ちれば、
 このあたりは全てハイランドのものになる。
 みんなもトトの村、リューベの村が
 どうなったか知っているだろう。

 負けられないぞ!!この戦い!!!」

兵士ら、飛び上がって叫ぶ。
傭兵隊兵士
「おーーーーー!!」
ビクトール、アップルへと向き直る。
ビクトール
「ようし、アップル
 作戦を説明してくれ。」
フリック、下がる。
アップル、前へ。
アップル

「フリックさんによると、
 ミューズからの援軍は10日ほどで、
 やってきます。

 それまで持ちこたえられれば、勝ち目はあります。
 守りが主体になりますが、
 最初はこちらから討ってでます。

 これによって相手の出ばなをくじき、
 攻撃の手をゆるめさせます。
 後は砦をかたく守って、援軍を待ちます。
 以上です。」

アップル、下がる。
ビクトール、飛び上がって叫ぶ。
ビクトール
「みんな!わかったなぁ!!
 いいかぁ、あの“ししのはた”にかけても
 この砦を守り抜くぞ!!!!!」
ビクトール、砦を振り返り掲げられた旗を見上げる。
一同、それに倣うも首を傾げる。
アップル
「あれって・・・・・ライオンなの?」
フリック
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
暗転。
ビクトール
「おまえら、準備はできたのか?」
リオウ
「まだ準備が・・・・・」 ←
ビクトール
「急ぎな、敵は待っちゃくれないぞ。」
ビクトール2
「準備は万全か?
 時間はほとんど残っていないぞ。」
リオウ
「まだ準備が・・・・・」 ←
「いつでもOK」 ←
フリック
「どうしたリオウ?
 戦いになったら、おれのそばをはなれるなよ。」
砦の外に出ようとすると、見張りの兵士に止められる。
傭兵隊兵士
「おい、どこへ行くんだ?
 戦いはこれからだぜ!!!!!」
「いつでもOK」 ←
ビクトール
「たのもしいな。
 期待してるぜ。」
そこへ兵士が慌てて駆け寄って来る。
傭兵隊兵士
「見えました!!!王国軍です!!」
ビクトール
「ようし、いっちょう行くか。」
暗転。

傭兵隊の砦 攻防戦

ソロン・ジー

「そろそろ、やつらの砦がみえるぞ。
 まぁ、どうせネズミみたいに
 プルプルふるえて
 砦にとじこもっているはずだ。

 いいか、ルカさまが来る前に
 カタをつけるぞ!!」

クルガン
「うかつな。
 足をすくわれなければよいが・・・・・」
シード
「ルカさまが来る前にってのは
 うなずけるな。
 おれたちの出番がなくなっちまう。
 そうだろ、クルガン!」
クルガン
「むだに刃をふるう気はない。
 非効率的だ。
 必要な時に、必要な分だけ、
 それでじゅうぶんさ。」
シード
「それじゃつまらん!!
 使ってこその剣だぜ!!!!」
アップル
「敵は油断しています。
 すぐに攻撃を。」
戦闘開始。
ツァイ
「いきます。」
ビクトール
「よぉし!
 行くぞぉ!!!!!」
フリック
「ちっ、はりきりすぎると
 ヤケドするぞ。」
アップル
「リオウさん。
 指揮のとり方を説明します。
 まずは、動かしたい部隊を選んでください。」
アップル
「次に動く先を選んでください。
 動けるのは、
 色の変わっているエリアのみです。」
アップル

「次は行動を選ぶのよ。
 攻撃は、敵の部隊を攻撃。
 待機は、なにもせずにその場で待機。

 紋章は、その部隊にいる人の
 とくしゅ能力を使用できるわ。」

ソロン・ジー
「奇襲だとぉ。
 金でやとわれている傭兵風情が
 生意気な!!けちらせ!!!」
シード
「やつらの持ってる武器はなんだ!!
 近づけやしないぜ!!!!」
クルガン
「火炎槍・・・・
 しかし、なぜこいつらが・・・・・・」
フリック
「火炎槍、
 やっぱりこいつはたいしたもんだぜ。」
ビクトール
「そぉっと、チョロまかしておいた
 おれさまにかんしゃしろよ。」
フリック
「言ってろよ。」
アップル
「白いエリアが動けるはんいです。
 この中で、いどうしたい場所へ
 “白いわく”を合わせて
 “決定”してください。」
ソロン・ジー
「ば、ばかな!!!
 このおれが?」
ソロン・ジー
「ザコどもがぁ!!!
 しかたない、一度体勢を立て直す!
 退却だ!!!」
勝利。
ビクトール
「よぉし!!!!
 やったぞぉ!!!!!
 火炎槍さまさまだぜ!」
ジョウイ
「やったな、リオウ。」
暗転。

傭兵隊の砦

──広場
ビクトール
「なんとか最初の戦いはものにしたか。
 これで・・・・一息つけるな。」
アップル
「王国軍は遠征でつかれています。
 次の攻撃は兵を休めた後、
 明後日以降のはずです。」
そこへ兵士が慌てて駆け込んで来る。
傭兵隊兵士
「王国軍です!!!
 ハイランドの軍が攻めてきました!!!」
兵士ら、慌てて戦の準備をすべく散る。
アップル
「なんですって!!
 そ、そんな・・・・遠征してきた軍を
 一戦した後、再び強行軍させて攻め込むなんて、
 そんな無茶な・・・・・・」
ビクトール、アップルへと向き直る。
ビクトール
「・・・・・・・・ルカって奴は
 じょうしきで計れないってことさ、
 しかし・・・こりゃやっかいだな・・・・・・・」
フリック、ビクトールへと向き直る。
フリック
「しかし、やるしかあるまい。
 こっちだって、
 そうそう無茶を通すわけにもいかない。」
ビクトール、飛び上がって叫ぶ。
ビクトール
「ようし、みんな用意はいいか!」
リオウ
「ちょっと待って。」 ←
ビクトール
「いそげよリオウ。」
ビクトール2
「今度こそ、用意はいいな?」
リオウ
「ちょっと待って。」 ←
「だいじょうぶ」 ←
フリック
「やれやれ、一息つけるかと
 思ったのによ。」
アップル
「あわてないで、落ち着いてね。」
「だいじょうぶ」 ←
ビクトール
「むこうもつかれてるんだ、がんばれ!!」
暗転。

傭兵隊の砦 攻防戦2

キバ
「我が名はハイランド王国第3軍団長キバ。
 栄光あるハイランド王国皇王
 アガレス・ブライトの名のもと、
 ぞんぶんにはたらかせてもらう。」
ソロン・ジー
「おれはハイランド王国第2軍団長
 ソロン・ジーだ!!
 さっきはよくもハジをかかせてくれたな!
 今度は手かげんなしだ!」
ビクトール
「いいか、うかつに砦から出るなよ。
 ここを守ることだけを考えるんだ。」
フリック
「来るぞ!」
戦闘開始。
アップル
「リオウさん、
 指揮のとり方はおぼえていますか?
 動かしたい部隊を選んで下さい。」
アップル
「次に動く先を選びます。
 だいじょうぶですよね?」
アップル
「次は行動を選びます。
 今は、待機したほうが
 良いと思います。」
アップル

「リオウさん、
 指揮のとり方にはなれましたか?
 ここで、とうしゅメニューの選び方を
 説明しておきます。

 まずは、部隊のいないところで
 “決定”してみてください。」

アップル

「それぞれのコマンドを説明します。
 “行動終り”はすべての部隊を行動した
 ことにして、相手の番になります。

 部隊の行動を、わたしに
 まかせたい時は
 “アップルにおまかせ”を
 選んでください。」

リオウ
「行動終り」 ←
「アップルにおまかせ」 ←
「もどる」
ビクトールの部隊が三度目の使用をすると、火炎槍が壊れてしまった。
ビクトール
「火炎槍が!!
 ちきしょう、火をふかなくなっちまった。
 これまでか!!!」
そこに、突如背後から新たな軍勢が出現する。
ビクトール
「な、なんだ?」
アップル
「あの大部隊が
 森を通ってくるなんて・・・・
 ウソよ・・・・・・・」
ルカ
「バカどもめ!
 おれにつづけ!一気にけちらすぞ!!!」
ビクトール
「くそぉっ!!!!!
 こんな・・・・・・・・・・・」
アップル
「そ・・・そんな・・・・・・・
 わたしのせいで・・・・・・」
ルカ
「ふはははははは!!!!!!
 バカどもめがぁ!!!!
 一気におしつぶせ!!!!!!」
敗北。
暗転。

傭兵隊の砦

──広場
ビクトール
「チッ、万に一つも
 勝ち目はなかった、てことかよ。」
フリック
「この砦はもうだめだ。
 みんな!!できるだけバラバラに逃げるんだ!!」
ビクトールとフリック、駆け出して行く。
ジョウイ

「けがはないかリオウ?

 だいじょうぶみたいだな。
 よかった・・・・

 そうだピリカ、
 ピリカをたすけに行かなくちゃ!!
 いっしょに行ってくれるかい
 リオウ?」

リオウ
「ぼくも行くよ」 ←
ジョウイ
「ありがとうリオウ。
 行こう。」
「ぼくは先に逃げるよ」 ←
ジョウイ

「そうか・・・・・・

 ピリカを見つけたら、ぼくもすぐに後を追うよ。
 気を付けろよリオウ。」

ジョウイ、砦の中へ。
リオウ、砦の外へ逃げられずジョウイを追って中へ。
リオウらが砦内の広間へ辿り着くと、ルカがポールへと迫っていた。
そこにはピリカの姿も在る。
ルカ
「はごたえのないやつらだ。
 こんなやつら相手に
 あの男は手こずっていたのか。」
ポール
「う、うわああ・・た、たすけて・・・・・」
ルカ
「ふん、そのセリフは聞きあきた。
 同盟のブタめ・・・・」
ルカ、ポールを斬り殺す。
ピリカ、しゃがみ込み泣き喚く。
ピリカ
「う・・・・うわぁぁぁぁぁぁん!!
 うわぁぁうわぁぁぁぁん!!」
ルカ、ピリカへと視線を投げ向き直る。
ルカ
「ガキ?
 みみざわりな・・・・
 おれの楽しみをジャマするな。」
リオウ
「たすける」 ←
ピリカ
「うわぁぁぁぁぁん、
 こないでぇぇぇ、こないでぇぇ」
ルカ
「ガキ!!!
 すぐに静かにさせてやる!!!」
ルカ、ピリカへと迫る。
ルカが剣を振り被ったところで、間一髪リオウとジョウイが各々の武器で阻む。
ルカ
「なんだ貴様らは、
 このガキを助けたつもりか?」
ルカ、リオウとジョウイを振り払う。
「たすけない」 ←
ピリカ
「うわぁぁぁぁぁん、
 こないでぇぇぇ、こないでぇぇ」
ルカ
「ガキ!!!
 すぐに静かにさせてやる!!!」
ルカ、ピリカへと迫る。
ルカが剣を振り被ったところで、間一髪ジョウイが棍で阻む。
ルカ
「なんだ貴様らは、
 このガキを助けたつもりか?」
ルカ、ジョウイを振り払う。
ルカ

「フン!虫けらどもがえらそうに。

 いいことを教えてやる、
 この世には強い者と弱い者がいる。

 強い者は全てをうばい、
 弱い者は死ぬ。
 それが、この世のしくみだ。

 それをこれから見せてやろう。
 強者が弱者をうばう瞬間だ!!!!!」

ジョウイ
「やめろ!!」
ルカ
「・・・・・・・・・・・・・・」
ジョウイ、必死に手を伸ばす。
ジョウイ
「や、やめてくれ!!!!」
ルカ
「だまってみてろ虫けら!!!
 こんなガキをたすけて、どうなるという?
 そんなことより、命ごいのセリフでも考えておけ。
 次はおまえらだ。」
ルカ

「おい、ガキ!
 どうした?声も出ないか!!!!

 ふはははははははは!!!!!
 安心しろ、おれは何百、何千と首をはねてきた。
 目をつぶっていても仕そんじることはない。」

ジョウイ
「や・・やめろ・・・やめろぉぉぉ!!!!!!」
ルカ

「ふはははははははははは!!!!
 いいぞ、その目だ。
 無力ゆえの苦しみの目だ!!!!

 はははははははははははははは!!!
 やめるかよ!」

ルカ、剣を振り被る。
ピリカ
「ひっ・・・・・・・・・・・・・」
そこへ、砦に火が放たれビクトールとフリックが駆け込んで来る。
フリック、ピリカを抱える。
ビクトール
「こっちだ!!!!!
 早くこい!!!!」
一同、入り口のビクトールのもとへ。
ビクトール
「火炎槍を全部、
 地下のボイラーになげこんでやった。
 すぐに爆発がはじまるぞ。」
フリック
「ほら、次はしっかり守ってやれ。」
ビクトール
「急げ!はしるんだ!!!
 逃げのびたらミューズを目指せ、
 そこで落ち合おう。
 行け!!!死ぬなよ。」
ビクトールとフリックを残し、リオウらは逃げ出す。
ルカ
「貴様・・・
 こざかしいまねを・・・」
ビクトール
「この砦はてめぇにはやらん、
 覚えときな、次は負けないぜ!」
ビクトールとフリック、駆け出して行く。
ルカ
「待て!!!!」
そこに、一層の地鳴りが響く。
ルカ
「お、おのれ・・・・・・・・・・・・
 今日生きのびたことを必ず後悔させてやる。
 必ずな・・・・・・」
暗転。
──森
散り散りになった者たち、森へと逃げ延びる。
ジョウイ
「大丈夫か、ピリカ?」
ピリカ
「・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ジョウイ
「どうした、ピリカ?
 ・・・・おい・・・・ピリカ?」
ピリカ
「ヒッ・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・
 ウ・・・・・・ウウッ・・・・・・・・」
ジョウイ
「ピリカ?ピリカ?
 まさか・・・声が・・・・・・」
ピリカ
「ア・・・・・ウゥ・・・・・・・・・・」
ジョウイ、飛び上がって驚く。
ピリカ
「ヒッ・・・・・・・・・・・・・・」
ジョウイ、ピリカへと一歩前へ。
ジョウイ
「返事をしてくれ・・・・ピリカ・・・
 おねがいだよ・・・ピリカ・・・・・
 “おにいちゃん”って呼んでくれよ・・・」
リオウ
「大丈夫さ。今はショックをうけているだけだ。」 ←
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ

「・・・そうだよな・・・・・
 だいじょうぶだよな。

 また、わらってくれる・・・・よな。」

「まさか・・・・あの時、ルカの・・・」 ←
ジョウイ
「あの時・・・
 ピリカを守り切れなかったから・・・・」
ピリカ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ジョウイ、ピリカへと向き直る。
ジョウイ

「ピリカ・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 リオウ・・・・・・
  ここもまだ安全とは言えない。
  先をいそごう。

 ビクトールさんはミューズ市で
  落ち合おうと言っていた。
  今はそこへ向かうしかない。」

一同、ミューズ市へ。