幻想水滸伝2 台詞集 第一章

トトの村3

ピリカ、一人でどこかへと行ってしまう。
ジョウイ
「ピリカ!どこへ行くんだ。
 一人じゃあぶない。」
リオウが橋を渡ろうとするとジョウイに止められる。
ジョウイ
「リオウ!!
 ピリカをほおっておくのかい?」
──祠 入り口
祠の入り口にピリカが立っている。
ジョウイ
「ピリカ・・・・?」
ピリカ、そのまま祠へと入って行く。
ジョウイ

「あ!

 おいかけようリオウ。」

──祠
ジョウイ

「こんなところにいたのかい、ピリカ。
 どうして・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・?
 どうしたんだい?何かあるのかい?」

ピリカ、更に奥へ。
ピリカ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ジョウイ

「そうか・・・・そういえば、
 ピリカの父親、マークスさんは
 ほこらの世話を仕事にしていると言っていた・・・

 ここが多分、その場所なんだろうな・・・・・・」

ジョウイ、ピリカの元へ。
ジョウイ、目の前の石碑を見やる。
ジョウイ

「・・・・・・・・・・・これは?
 何かも文字が刻んであるぞ・・・・・

 リオウ、来てみろよ。」

ジョウイ、リオウへと振り返る。
リオウ、ジョウイのもとへ。
リオウとジョウイ、石碑を見やる。
ジョウイ

「この文・・・これは・・・・・

 『我と我が友の想いをここに封じる。
 我らはついにそれを一つにはできなかったことを
 深く後悔するものである。
           ハーン、ゲンカク』

 このゲンカクって、まさかゲンカク師匠のことか?
 これはいったい?」

リオウ、石碑へと近付く。
ピリカ、何かに気付いたように飛び上がる。
ピリカ
「・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
一面が白く光り、リオウとジョウイは祠の奥へと飛ばされる。
ジョウイ
「こ、ここは・・・?」
リオウとジョウイ、きょろきょろと周囲を見回す。
ジョウイ
「ほこらの中か・・・・・・・?
 しかし、どうしてこんなところに・・・・・」
そこへ、光の球体よりレックナートが現れる。
レックナート

「運命の糸をたどる者たち・・・・・
 宿星の集う前ぶれ、それを呼ぶ少年たちよ。
 進みなさい。

 運命をつむぐには、
 それをその手にしなければなりません。」

レックナート、光の球体より消える。
リオウとジョウイ、向き合う。
ジョウイ

「い、今のは?

 先へ進めってことか?」

リオウとジョウイ、奥へ奥へと進んで行く。
暗転。
ジョウイ

『力?

 ぼくらは力を求めているのか?』

暗転。
──回想
道場で修業をするリオウとナナミ、そしてゲンカク。
それを柵の向こうから覗くジョウイ。
リオウ、覗くジョウイに気付き近付く。
リオウ
「君は?」
ジョウイ
「ぼ、ぼくはジョウイ・・・・」
暗転。
ジョウイ
『ぼくがはじめて
   君に会ったあの日・・・・・』
暗転。
街中で子供たちにいじめられているリオウ。
少年A
「やーーーい、やーーーーい、
 もらわれっ子、こしぬけの家の子、
 きたねぇ道場にすんでるくせにーーー」
少年B
「よるなよーーーリオウ、
 こしぬけがうつるぜーーーーー」
リオウ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ジョウイ、リオウをチラと見やり、いじめっ子へと向き直る。
ジョウイ
「やめろっ!
 リオウをばかにするなら、
 ぼくが相手だ!!!」
暗転。
リオウとジョウイ、倒れ伏している。
少年

「これにこりたら、
 えらそうなこと言うんじゃないぞ!
 こしぬけジジイのもらわれっ子と、
 おぼっちゃんのくせに、

 ハハハハハハハ。」

少年ら、笑いながら去って行く。
そこへ、怒るナナミが現れ少年らを追いかけて行く。
ナナミ
「こらーーー待ちなさい!!!」
ジョウイ、起き上がる。
ジョウイ
「・・・だいじょうぶかリオウ?」
リオウ、うつ伏せのまま顔だけを上げ、周囲を見回す。
暗転。
ジョウイ
『ぼくはいつしか
   君と友達になった・・・・・』
暗転。
──王家の屋敷
見張りの兵士が居なくなった隙に、塀から中を覗くリオウとジョウイ。
ひょこひょこと飛び跳ねてみるも、背が届かない。
リオウ、ジョウイを踏み台に塀の中を覗く。
ジョウイ
「はやくしろよーーー
 手がつかれちゃうよーーーー」
リオウ
「も、もうちょっと・・・・・・」
ジョウイ
「見えたか?かわいいだろう?」
リオウ
「え?え?」
ジョウイ
「はやくしろよ!!」
リオウ
「ちょ、ちょっと・・・・・」
塀の中では、ジルが読書をしながら飼い犬と戯れている。
犬、ジルへと飛びつく。
ジル、勢いのまま本を投げ出し、犬を抱きしめ撫でる。
リオウとジョウイ、兵士に見つかり咎められる。
兵士
「おい、おまえら何をしている!」
リオウとジョウイ、慌てて飛び降りる。
ジョウイ
「や、やばい!逃げるぞ!」
暗転。
ジョウイ
『君がいたから、
   ぼくはさびしくなかった』
暗転。
道場の奥、大木の下に何かを埋めているリオウとジョウイ。
ジョウイ、立ち上がる。
リオウも立ち上がる。
ジョウイ
「ようし、これでいい。
 ぜったいに秘密だよ。」
リオウ
「うん。」
そこへ、ナナミが駆け足で寄って来る。
ナナミ、振り返ったリオウの胸倉を掴み激しく揺する。
ナナミ
「ね、ね、ね、何してたの?
 ねぇ、ねぇ!」
リオウ
「あのね・・・・」
ジョウイ、飛び上がって静止。
ジョウイ
「あ!ダメだよ、しゃべっちゃ。」
ナナミ
「なに?なに?
 けちーーーー、いーじゃない。」
ジョウイ、飛び上がって反論。
ジョウイ
「だめだい。男同士の秘密だ。」
ナナミ、リオウを突き飛ばして拗ねてそっぽを向く。
ナナミ
「ふーーーんだ。」
暗転。
ジョウイ
『あの時が
   永遠に続く気がしていた・・・・・』
暗転。
軍の建物の前、整列するユニコーン隊。
ラウド
「おまえたちは今日から
 栄あるハイランド王国軍、
 ユニコーン隊の一員だ。
 その名をけがさぬよう、つとめるのだぞ。」
ナナミ、草葉の陰から顔を覗かせながらそれを見守る。
暗転。
ジョウイ
『ぼくらは、同じ道を歩いた』
暗転。
──天山の峠
ジョウイ、岩を斬り付けリオウへと向き直る。
ジョウイ

「もし、ぼくらが生きのびて・・・・・
 でも・・・はなればなれになってしまったら・・・
 その時は、ここにもどってくることにしよう。

 そして・・・・・ここで、再会しよう。

 約束だ・・・・リオウ・・・」

リオウ
「わかった」
リオウ、ジョウイに倣い交差させるように岩を斬り付ける。
ジョウイ
「行くよ、リオウ。」
リオウとジョウイ、崖の端へ行き顔を見合わせ頷く。
そうして勢い良く滝下を目指し飛び降りる。
暗転。
ジョウイ
『生も死も
  ともに選んだのだから・・・・・』
暗転。
──傭兵隊の砦 牢屋
ジョウイ
「リオウ!
 いたら返事をしてくれリオウ!!」
リオウ
「ここだよジョウイ!!」
ジョウイ、足早に牢屋のリオウの元へ。
暗転。
ジョウイ
『信じていた・・・必ずと・・・・・』
暗転。
──キャロの街
ナナミ
「リオウ、ジョウイ・・・・
 わたしたち、もう一度、
 ここにもどってこれるのかなぁ・・・」
ジョウイ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
リオウ
「いつかは戻ってこれるさ」
暗転。
ジョウイ
『多くのものをともに・・・・・』
暗転。
回想終了。
リオウとジョウイ、向き合う。
ジョウイ

「い、いまのは・・・・・?
 まぼろし?
 リオウ、きみも見たかい?

 なんだっていうんだ?」

そこへ、光の球よりレックナートが現れる。
レックナート
「運命のつぎ目をその手にする少年たち。
 あなたたちの“資格”を見せてもらいました。」
ジョウイ
「あんたはさっきの!
 いったい何者だ!」
レックナート

「わたしは“門の紋章”の継承者。
 世界と世界をつなぎ、とじる者。
 大いなる“天秤”の代理人にして、
 運命の見とどけ人。

 この地に、宿星の集うきざしがあります。
 今は運命がゆらぎ、未来が見えぬ時。

 “27の真の紋章”の一つが
 あなたたちを認めました。
 その運命をつむぐ者たちよ、
 あなたたちに道を開きましょう。」

ジョウイ
「認めたって・・・・さっきのあの幻が?」
レックナート

「そう、紋章はあなたたちの資格を認めました。
 運命のかたむきは、
 この奥に眠る“始まりの紋章”の力を
 必要としています。

 それぞれが、紋章の前に立ち
 右手をかざすのです。
 力が、運命を開く力があたえられるでしょう。

 考え、そして決めるのです。

 “力”はあなたたちに
 “平穏”をあたえてはくれません。

 しかし、荒れ狂う運命は
 多くの人を傷付けるでしょう。
 それを静める方法は、ぼくわずかしかありません。

 あなたたちが、“力”を欲しないのであれば、
 このまま、元の世界へと帰しましょう。」

ジョウイ
「力・・・・・・・・
 ・・・紋章・・・・
 27の真の紋章の力だというのか・・・・・・」
ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ
「・・・・・・・・・・・・・
 どうするリオウ?」
リオウ、ジョウイへと向き直る。
リオウ
「“力”が必要なら・・・・」 ←
ジョウイ

「リオウ・・・・・・・

 行ってみよう。
 “力”ってのが何なのか・・・・・
 それを確かめよう。」

「ぼくには“力”は必要ない」 ←
ジョウイ

「・・・・・・・・・・・

 あの時・・・・・
 ・・ピリカが言葉をうばわれたあの時・・・
 ぼくは自分の無力さを思い知らされた。

 焼けたトトの村で死んだ
 マークスさんとジョアンナさんの前で
 ピリカを守ると決めたのに・・・・

 ぼくには守りたい人たちがいる。
 リオウ、ナナミ、ピリカ、母さん、
 そしてぼくの知る多くの優しき人々・・・・・・

 リオウ・・・・・・・・
 ぼくらには“力”が必要だよ。」

リオウ
「“力”が必要なら・・・・」
「ぼくには“力”は必要ない」 ←
ジョウイ

「27の真の紋章を持つ者には
 大いなる力と不老があたえられると
 聞いたことがある・・・

 もし、それが本当なら・・・・・・

 今のぼくはあまりに非力だから・・・・・
 多くの人を守る“力”があたえられるのなら・・・

 おねがいだ・・・・・リオウ・・・」

リオウ
「“力”が必要なら・・・・」
「ぼくには“力”は必要ない」 ←
ジョウイ

「あたえられた力でも良い・・・・
 それで望みがかなうのなら。

 おねがいだよ・・・リオウ、
 わかってくれ・・・・・」

リオウ
「“力”が必要なら・・・・」
「ぼくには“力”は必要ない」 ←
レックナート
「時に“力”は人を傷付け、
 “運命”は人をもてあそぶでしょう。
 それでも、今はそれが必要とされています。」
ジョウイ

「きみは強いな・・・リオウ。
 でも、ぼくは・・・・・・

 おねがいだ・・・・・・
 リオウ・・・・」

リオウ
「“力”が必要なら・・・・」
「ぼくには“力”は必要ない」 ←
──以下ループ──
リオウ
「“力”が必要なら・・・・」 ←
「ぼくには“力”は必要ない」
ジョウイ
「ありがとう・・・リオウ。
 すまない・・・」
ジョウイ
「リオウ。
 ぼくは右のどうくつに入る。
 きみは左をたのむ。」
リオウとジョウイ、二手に分かれて洞窟へと進んで行く。
レックナート
「“力”をもとめる者よ・・・・・・
 それぞれの場へおもむき・・・・・・・・・
 右手を、“それ”にかざすのです・・・・」
──左の洞窟
リオウが辿り着いたそこには、壁に『輝く盾の紋章』が封印してある。
──右の洞窟
ジョウイが辿り着いたそこには、壁に『黒き刃の紋章』が封印してある。
ジョウイ

「ここだな。

 リオウ!聞こえるかい?
 用意はいいかい?」

──左の洞窟
リオウ
(右手をあげる) ←
「ちょっと待って」 ←
──右の洞窟
ジョウイ

「ぼくは・・・・・

 今のぼくには守るべきものがある。
 そのために“力”が必要なんだ。」

ジョウイ、右手を掲げる。
──左の洞窟
リオウ、右手を掲げる。
封印された紋章より光が降り、リオウを七色に包む。
明滅する光の中、リオウの右手に紋章が宿る。
[ 右手に『輝く盾の紋章』が宿った ]
──右の洞窟
[ 右手に『黒き刃の紋章』が宿った ]
ジョウイ

「これで・・・“力”が・・・・・・
 紋章の力が・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 いや、これで良かったんだ・・・・・」

ジョウイ、腕を下ろす。
ジョウイ
「よし、戻ろう。」
──左の洞窟
リオウ、腕を下ろす。
リオウ、洞窟を後にする。
──祠
レックナート

「あなたたちに宿った力。

 リオウ、
 あなたに宿った“輝く盾の紋章”。

 ジョウイ、
 あなたに宿った“黒き刃の紋章”。

 それは“始まりの紋章”の二つの相。
 さぁ、行きなさい。
 あなたたち自身で運命をつむぐために。」

周囲が光に包まれ、リオウとジョウイは一同のもとへ戻る。
一同、驚き飛び上がる。
ナナミ
「わ、わ、わ、何?
 どうしたの?だいじょうぶ?」
キニスン
「だいじょうぶですか?
 リオウさん・・・・・」
ジョウイ
「ゆめ・・・・・?
 というわけでもなさそうだな。
 リオウ、
 おまえの右手も見せてみろよ。」
リオウとジョウイ、互いに向き合い右手を見せ合う。
ジョウイ
「やっぱり、ゆめじゃないみたいだな。」
リオウとジョウイ、一同に向き直る。
ムクムク
「ムムー?」
ジョウイ
「ああ・・・・・・だいじょうぶだ。」
ピリカ、一歩前へ。
ピリカ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ジョウイ

「だいじょうぶだよ、ピリカ。

 なあ、リオウ。」

ジョウイ、リオウへと向き直る。
ジョウイ

「行こう。ここにもいつハイランドの手が回るか
 わからない。

 それに、ぼくらは進まなくちゃ・・・・・・」

一同、ミューズ市へ。